レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】ブリオッシュのある静物/原田マハ ○
原田さんらしい作品なのかもしれない。芸術品を通じて祖母と娘、祖母の友人とのやり取りを描いている。ただ、割と簡単に医者になったりするのが、何とも安易な感じがしてしまう。自由自在に生きている人のストーリーに見えて、ちょっと共感しづらいのだ。作品も名前を出すだけの感じで、感情移入できない。
【詩・俳句・短歌・歌詞】妻/大木実 ◎
30年間暮らしてきた妻に対する愛情を伝える詩。同性としては、やや気恥ずかしさも感じるが、自分の本音をそのまま語っているようで、とても清々しい。ただ、配偶者だけでなく、家族に対して、同じ気持ちを持ち続けるのは、実際は至業の業。20年に満たぬ自分は、どうやって暮らしてきたのだろうとも思ってしまった。
【論考】忘却のさまざま/外山滋比古 ○
「ひとつことに、こだわっていると、かえってできるものまで、できなくなってしまう」ということで、様々な忘れ方や頭の切り替え方を解説している。実践的な内容ばかりであるが、忘れることは十分条件でしかなく、必要条件とは言えないのではないか。手法に乗っ取っても、上手くいかないこともあるだろう。