さんま苦いか塩つぱいか【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0010】


【短編小説】暑さ/星新一
常識的な巡査とおとなしそうな若い男のかけ合いを通じて、段々と男の狂気が垣間見えてくるのにゾクゾクした。今年の夏、男はどうするのだろうという所で終わるのも、余顔があって、個人的には好みである。星新一さんらしいとも言えるだろう。

【詩・俳句・短歌・歌詞】秋刀魚の歌/佐藤春夫
解説を読んだうえで、何度が読んでも、すべてを理解できていないと思うものの、「さんま苦いか塩つぱいか」は、ぐっと体温が上がる感じ。なぜなのか。特別なワードは何もないのに、ある意味コピーのマジックなのかもしれない。

【論考】文明について/森本哲郎
「文明とは港ではなく航海である」という言葉は、十分に共感できる。われわれの日々の生活も、明確なゴールや行き先が決まっているわけでもなく、時として進むべき方向も変えてしまうから。失われた文明のように大きなものではないが、言葉の意味や内実が、変化していくのに似ているのではないだろうか。