ジャックポット教の信者たち【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0059】


【短編小説】おのぞみの結末/星新一
ジャックポット教の信者たちの物語。小説の中で明示されないが、チャンスがあれば、金を持ち逃げしてもヨイという教義のようだ。逆から言うと、そうしたチャンスの到来を願う宗教といったところ。大金を前にして、偶然にも信者たちが、集まってくる。そして、紆余曲折ありながらも、最後にはおのぞみの結末迎えるのだ。終わり方は、やや唐突だった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】便所掃除/濱口國雄
トイレの掃除は誰しも好きではないだろう。ましてや、公衆便所のような他人のための掃除ならなおさらだ。この詩では、かなり汚れたトイレを、愚痴りながらも、ゴシゴシと洗ってゆく。体験的な記述か、想像で書いているかは判然としないものの、「朝の光が便器に反射します」が、印象的だった。きっと実体験なのだろう。

【論考】人間を解くカギについて/森本哲郎
ちょっと昔話が過ぎるなあと思った。最後まで読んでも、尻切れトンボな感じだし、言いたいこと、主張もはっきりしないまま終わってしまう。ただ、「人問のすべてを知るということは、自分のすべてを知ると外にない」という考えには共感できるので、そこを掘り下げてほしかった。