ハーバート・リード【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#164】


【6月12日】ハーバート・リード:1893.12.4~1968.6.12

私が示す例は、偉大な日本の画家葛飾北斎(1760-1849)の色彩版画(「富嶽三十六景、神奈川沖浪裏」)である。……鑑賞者が普通のイギリス人であると考えよう。慣れた観察者が注意深く衝立ついたての陰にかくれていたとすれば、この絵を見る人が眼をみはり、息をころし、おそらくは声を上げるのに気づくであろう。彼はそこに三十秒なり五分なり立ちつくしてから立去り、文句なしに受けた歓びについて、その後法外な最大級の形容詞をつらねた手紙を書くことだろう。

『芸術の意味』滝口修造訳、みすず書房、1958年

【アタクシ的メモ】
確かに「神奈川沖浪裏」(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/246760)はヨイ作品だとは思うものの、この引用は、ハーバード・リードがその評価をしているだけなので、あまり「英知のことば」に感じない。