ドーキンス【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#086】


【3月26日】ドーキンス:1941.3.26~

純粋で、私欲のない利他主義は、自然界には安住の地のない、そして世界の全史を通じてかつて存在したためしのないもののである。しかし私たちは、それを計画的に育成し、教育する方法を論じることさえできるのだ。われわれは遺伝子機械として組立てられ、ミーム機械として教化されてきた。しかしわれわれには、これらの創造者にはむかう力がある。この地上で、唯一われわれだけが、利己的な自己複製子たちの専制支配に反逆できるのである。

『利己的な遺伝子』日高敏隆ほか訳、紀伊國屋書店、1991年

【アタクシ的メモ】
生物の遺伝子は、すべて利己的な行動を促し、人間だけが利他的に振る舞える可能性があるということか。それは、人間だけが他者性を認識し、またそれを俯瞰した客観的な視線を持っていることだろう。