要するに、大したことじゃない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0073】


【短編小説】西行車線/トルーマン・カポーティ ◎
「IV」から始まり、不思議に思っていたら「III」「II」「I」と、全く別の物語がそれぞれ展開していった。共通点は、最後にバスに乗るということだけ。そして「0」では悲劇的な結末を迎える。ただ、最後の「人はみな、それぞれの道で天国に達するものなれば」という一文が、唯一の救いである。

【詩・俳句・短歌・歌詞】道程/高村光太郎 ◎
「僕の前に道はない/僕の後ろに道は出来る」で始まる。やはりこれは、キラーワードだなと思う。詩自体も短いが、自然を父にたとえ、父に見守られることで、長い道のリ(時間軸)を進もうとしている。将来が判然としなくても、未来を切り開こうとする若者の決意表明だと感じた。

【論考】ものの見方について/森本哲郎 △
この論考を一言でまとめると、「要するに、大したことじゃない。生活を愉しめ」ということだ。その主旨自体に反論はないし、それが「陽気な哲学」であると言われれは、その通りであろう。ただ、西洋哲学と比べるのは、あまり意味がないと思う。この哲学は、人間の生き方や態度に近く、知の探求ではないからだ。