「僕」による温かな主観【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0065】


【短編小説】ミス・ベル・ランキン/トルーマン・カポーティ
ミス・ベルの視点で書かれた部分もあるが、「僕」からの目線で書かれているのがヨイと思った。客観的すぎず、少し温かな主観が入ることで、かえってミス・ベルの人となりが冷静に理解できたのではないだろうか。ミス・ベルがひとり命を落とすシーンは、哀しくも、美しい描写だと感じた。

【詩・俳句・短歌・歌詞】伝説/会田綱雄
何度も読んだが、何とも理解できた気がしない。環境や人類のサイクルについての詩のような気もするが、ロジカルな表現はほとんどないため、雰囲気でしか把握していないのだろうと思う。湖、蟹、 わたしたら、ちちははなど、繰り返しキーワードが出てくるが、どういう関係性にあるのかが分からないのである。

【論考】「待つ」ということについて/森本哲郎
私は、待つことも、待たせることも苦手だ。病院などいつ呼ばれるか分からないまま座っているのは嫌だし、待ち合わせに遅刻して誰かを待たせるのはもっと嫌である。ただ「人生とは待つことなのです」という発言を聞いて、確かにとも思った。何かの到来を期待していなければ、私たちの人生に変化が起きないからである。