モーツァルト【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#095】


【4月4日】モーツァルト:1756.1.27~1791.12.5

死は(厳密に考えて)われわれの一生の真の最終目的なのですから、私は数年この方、人間のこの真の最善の友としてとても親しくなって、その姿が私にとってもう何の恐ろしいものでもなくなり、むしろ多くの安らぎと慰めを与えるものとなっています! そして、神さまが私に、死がわれわれの真の幸福の鍵だと知る機会を(私の申すことがお分かりになりますね)幸いにも恵んで下さったことを、ありがたいと思っています。私は、(まだこんなに若いのですが)もしかしたら明日はもうこの世にいないのではないかと、考えずに床につくことは一度もありません。(1787年4月4日付、父宛書簡)

『モーツァルトの手紙』(下)、柴田治三郎編訳、岩波文庫、1980年

【アタクシ的メモ】
人が生きて死ぬことは必然である。とは言え、モーツァルトが若いころから、それを強く意識していたことに少し驚いた。死を身近に考えていたことが、音楽の創作活動にどのような影響があったのが、気になるところである。