ゴーリキー【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#088】


【3月28日】ゴーリキー:1868.3.28~1936.6.18

幼年のころ、わたしはみずから自分を蜂の巣のように想像した。さまざまのなんでもない、ごく平凡な人びとが、生活についての自分の知識や思考の蜜を蜜蜂のようにそこへ運んできては、だれでもできるものでわたしの精神を惜しげもなく富ましてくれるのだ。しばしばこの蜜はきたなく、またにがいことがあったけれども、あらゆる知識は――やっぱり蜜であった。

『幼年時代』湯浅芳子訳、岩波文庫、1968年

【アタクシ的メモ】
ゴーリキー自身の知的好奇心について、書かれているのであろうか。現在のように情報過多の時代ではないと思うので、きたなく、にがい知識もきっと喜んで受け取っていたのではないか。