アンデルセン【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#093】


【4月2日】アンデルセン:1805.4.2~1875.8.4

そのとき、貧しい家の子供たちのうちでいちばん下の子がはいってきました。それは小さい女の子でした。その子は兄さんと姉さんの首にかじりつきました。なにかとても大事なことを話しにきたのです。でもそれは、ないしょで言わなければならないことでした。「あたしたち、今夜ね――なんだと思う?――あたしたち、今夜ね。あたたかいジャガイモがたべられるのよ!」
そして女の子の顔は幸福に光りかがやきました。ろうそくがその顔をまともに照らしました。(「ろうそく」)

『完訳 アンデルセン童話集』(7)、大畑末吉訳、岩波文庫、1984年

【アタクシ的メモ】
あたたかいジャガイモを食べられことが、幸せにつながるというのが、今の日本と状況が違いすぎる。私自身も過去に、多少食べ物に困ったこともあったが、そんなのたかが知れているので、食事ができることの有難さが、身に染みていないかもしれない。