明恵【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#026】


【1月26日】明恵:1173.1.8~1232.1.19

秋田城之介道覚知、遁世して梅尾に栖みける比、自ら庭の薺を摘みて味噌水と云う物を結構して上人にまゐらせたりしに、一口含み給ひて、暫し左右を顧みて、傍なる遣戸の縁に積りたるほこりを取り入れて食し給ひけり。大蓮房座席に候ひけるが、不審げにつくづくと守り奉りければ、「余りに気味の能く候程に」とぞ仰せられける。

『明恵上人集』久保田敦・山口明穂校注、岩波文庫、1981年

【アタクシ的メモ】
秋田城之介道覚知が、明恵上人に雑炊をつくったところ、「あまりにも美味しくて」といって、ほこりを入れて食べた。物質的、身体的な欲望を「執着」として、否定したようだ。