歴史に真偽を求めず、想像する【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0094】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】ソー・ロング/ルシア・ベルリン ○
タイトルの「ソー・ロング」は、人生は長すぎるという意味だろうか。「わたし」が、自分の半生を回顧している。その時々の自身の心情はそれほど書かれておらず、起きたことが淡々と述べられる。多少ドラマチックな内容もあるが、人々が粛々と生き、死へ近づく姿を、冷静に起伏なく表現しようとしたのではないか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】ほほえみ/川崎洋 ○
「ビールには技豆」のように、セットになるような、対になるようなものを、いくつも並べている詩。日本的な、日本ならではのセットが多いだろうか。ただ、最後の組み合わせは、「ほほえみ には ほほえみ」と対ではなく、同じものを重ねていた。これについては、万国共通の感覚になるだろう。

【論考】歴史/池田晶子 ◎
言葉の端々で、理解できていない部分もあると思うが、「君は今の君ではなく、他の誰かでもあり得た」「だからこそ、君は、他の誰かであることができる」といった箇所がとても気になった。また、「歴史とは、真偽を求めるものではなく、想像するものだ」という文も重要だと思う。可馬遼太郎にも、つながるかもしれない。