レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】設計図/リディア・デイヴィス ○
ある土地、ある家、ある友人に対して、執着する主人公。環境や状況は良くなくても、そこから去ることができない。最後まで、自分が夢みた場所にこだわり続ける。ただ、それは周囲の誰からも望まれていないとしても。最後に、夢うつつのような中で、幸福を感じており、幸せとは自らが生み出すものだと改めて感じた。
【詩・俳句・短歌・歌詞】かなしくなったときは/寺山修司 ◎
「かなしくなったときは/海を見にゆく」という。自分は海まで2~3kmの距離に暮らしているから、目に触れる機会は比較的多いと思う。確かに、海を見ていると、不思議と落ち着いたり、ある意味で充足感のようなものを感じる。作者が「人生はいつか終るが/海だけは終わらないのだ」と言う通り、終わりがない存在だからなのか。
【論考】「現実」という夢/池用晶子 ○
「『本当にあったこと』は、『夢』と『現実」のあわいに消えていく」と、筆者は語るが、最近になって私も、それをよく実感している。現実に起きたことの記憶が、とてもあいまいだからである。また、全くの記憶違いも何度も経験している。夢と現実を混濁するのではなく、生(=現実)の意味を問わなければならないのかもしれない。