ヴェルレーヌ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#090】


【3月30日】ヴェルレーヌ:1844.3.30~1896.1.8

秋の日の
ヸヴィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。

鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。

げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。(「落葉」)

上田敏『海潮音』(『上田敏全訳詩集』山内義雄他編、岩波文庫、1962年より

【アタクシ的メモ】
ネットで調べてみると、訳者が音数を意識しながら翻訳していると評価しているものがあった。確かに、とても悲しい詩であるが、リズミカルである。