スタンダール【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#023】


【1月23日】スタンダール:1783.1.23~1842.3.23

さて、諸君、小説というものは大道に沿うてもち歩かれる鏡のようなものだ。諸君の眼に青空を反映することもあれば、また道の水溜りの泥濘を反映することもあろう。すると諸君は、鏡を背負籠に入れてもって歩く男を破廉恥だといって非難する! 鏡は泥濘を映し出す、そこで諸君はその鏡を非難しようというんだ!

『赤と黒』(下)桑原武夫・生島遼一訳、岩波文庫、1958年

【アタクシ的メモ】
世界はよくも悪くも語られる可能性があるということか。そして、悪く語られたからといって、非難しても仕方がないと言いたいのだろうか。