ゴーゴリ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#052】


【2月21日】ゴーゴリ:1809.3.20~1852.2.21

いま熱情に燃えさかっている青年が、もし自分の老いさらばえた後の姿を見せつけられたなら、恐れ戦いてとびすさることだろう。柔軟な青年時代を過ぎ、きびしく非情な壮年に達しても、心して人間的な行いを保持してゆくように努め給え。途中で取り落してはいけない。後で取り戻すことは決してできないから! 未来に横たわる老齢はつれなく怖ろしいもので、何一つもとへ戻してくれはしないのだ!

『死せる魂』(上)平井肇・横田瑞穂訳、岩波文庫、1977年

【アタクシ的メモ】
人は青年時代が絶頂で、年老いることは下り坂だと言いたいのだろうか。「途中で取り落してはいけない」は、何をが明示されておらず、警句としては不十分ではないか。何をが「人間的な行い」だとすると、「取り落とす」や「取り戻すことはできない」と合わないように思う。