ヴァイツゼッカー【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#129】


【5月8日】ヴァイツゼッカー:1920.4.15~2015.1.31

罪の有無、老幼いずれを問わず、われわれ全員が過去を引き受けねばなりません。だれもが過去からの帰結に関わり合っており、過去に対する責任を負わされております。
心に刻みつづけることがなぜかくも重要なのかを理解するため、老幼たがいに助け合わねばなりません。また助け合えるのであります。
問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。

『新版 荒れ野の40年——ヴァイツゼッカー大統領ドイツ終戦40周年記念演説』永井清彦訳・解説、岩波ブックレット、2009年

【アタクシ的メモ】
ヴァイツゼッカーは、西ドイツや統一ドイツの大統領だった人物。第二次世界大戦という過去を直視している点や、それを全員で引き受けようと提言する姿勢が素晴らしい。なかなか容易ではないだろうが。