死体と死は違っている【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0164】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】ある人生(抄)/リディア・デイヴィス △
ある人、「私」の人生を抜き書きした体裁。あまり連続性があるわけでもないので、この人がどんな人なのか、どんな性格なのかといったことも、あまりイメージできないままである。メッセージとしては、最後にある通り、やりたいことをやって生きろということなのだろうか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】Diamond ダイヤモンド/寺山修司 ○
「ほんとうに愛しはじめたときにだけ/淋しさが訪れるのです」と、作者は言う。それに反論したいわけではないが、私自身はあまり共感できない。愛することで、淋しさが生まれるのだろうか。少なくとも、自分にはそうした実感はないから、上手く飲み込めずにいる。また、タイトルのダイヤモンドもわからなかった。

【論考】「聖なるもの」の行方/池田晶子 ○
私たちは、死体を見たり、葬儀に参列することで、死を理解したように感じるが、「死体と死は同じものではない」と筆者が言うように、生きている人にとって死とは、絶対に分からないものなのである。死を医学的、科学的に規定することは可能であろうが、死は生と対極にあり、死んだことのない我々にとって不可知なのだ。