【1月25日】モーム:1874.1.25~1965.12.16
およそ良心というものは、社会が自らを維持する目的でつくった規則が守られているかどうかを監視するために、個人の内部に置いている番人である。個人が法律を破らぬよう監視するために、個人の心の中に配置された警官だとも言えよう。自我なる要塞に潜むスパイなのだ。世間の人に支持されたいという人間の願望はとても強く、世間の非難を恐れる気持ちはとても激しいので、結局、自分の敵を自分の城内に引き入れてしまったのである。
『月と六ペンス』行方昭夫訳、岩波文庫、2005年
【アタクシ的メモ】
「良心」は、人が他者から認められたい、あるいは非難されたくないとつくり出したということか。自然と生まれたり、獲得できるのではなく、他者の目があるからこそ、自分の敵である良心を生み出すという。性悪説。