ケインズ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#112】


【4月21日】ケインズ:1883.6.5~1946.4.21

経済学者や政治哲学者の思想は、それらが正しい場合も誤っている場合も、通常考えられている以上に強力である。実際、世界を支配しているのはまずこれ以外のものではない。誰の知的影響も受けていないと信じている実務家でさえ、誰かしら過去の経済学者の奴隷であるのが通例である。虚空の声を聞く権力の座の狂人も、数年前のある学者先生から〔自分に見合った〕狂気を抽き出している。

『雇用、利子および貨幣の一般理論』(下)、間宮陽介訳、岩波文庫、2008年

【アタクシ的メモ】
経済学者や政治哲学者の思想は、過去の何らかの学説から強く影響を受けているため、強力であると言いたいのだろうか。もっと抽象化して言えば、人間が紡いできた知性は、その歴史によって強化され続けるということなのかもしれない。