蟹がひとりで何か呟いている【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0133】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】悪い春 202X/恩田陸 ○
コロナ禍が色温く反映された内容であった。以前読んだ「悪い春」の続編的な立ち位置だとは思うが、やはりメッセージがなく、ちょっとした落ちだけがあった感じ。そのため、結局、何で読んだんだろうという気分に、させられてしまうのが残念だった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】蟹/三好達治 ◎
樋をのぼる蟹と入道雲との対比、ミクロからマクロへの視点の移動が、とても気持ちよかった。とても短い詩だし、本当に何げない情景を切り取っただけとも言えるが、非常に情感が豊かだと思う。実際に蟹が呟いて(泡を吹いて)いる姿や人道雲を見たことがあり、自分の経験に根差しているからだろうか。

【論考】ことわざの世界/外山滋比古 ○
「具体例を抽象化し、さらに、これを定型化したのが、ことわでの世界である」と、筆者はいう。創造的な思考において、あまりことわざの効用を考えてこなかった。抽象化、定型化されていることから、構造主義的にロジックを合てはめたり、比べられる点は、思考の整理になると思った。