レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】太陽/森絵都 ○
「すべてのものは失われる」という一文から始まるものの、何だかほっこりする短編だった。作中にコロナの言及もあり、コロナ禍を経験した世界であることが前提で、主人公と歯科医である風間先生が、ある意味立場を超えて、話し合っているのが心地ヨイのだろう。偶然の出会いではあるが、心理的安全性が担保されている関係なのかもしれない。
【詩・俳句・短歌・歌詞】ぼくのゆめ/谷川後太郎 ○
詩の中で、「ぼく」は、「いいひとになりたい」と語る。しかし、おとなはそれおを、「もっとでっかいゆめがあるだろう?」と否定する、おとなが言う「でっかいゆめ」とは、えらくて、かねもちのようである。ただ、これらは今、それほど価値あるとは思われていないだろう。気づいたら、多様性の時代がやって来ていて、誰も同じ夢を見なくなっているのだった。
【論考】平身低頭/ロラン・バルト ○
西洋では無作法であることが真実であり、日本人の平身低頭するお辞儀のような礼儀は、空虚の行使だと、筆者は指摘する。当時の西洋人から見れば、ひどく非日常的な行為で、そう解釈したくなるのかもしれないが、空虚は言いすぎだろう。型にはまることで、気持ちが生まれてくることもあるはずだ。