ホメロス【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#127】


【5月6日】ホメロス:生没年不詳

さて駿足のアキレウスが、ヘクトルを休みなく激しく追い立てるさまは、山の中で犬が仔鹿を追うよう、その巣から狩り出し山間の低地を追ってゆく、灌木の茂みにかがんで身を潜めても、嗅ぎ出しではどこまでも追い、遂には捕える——そのようにヘクトルも駿足のペレウスの子から身を隠すことができぬ。

『ホメロス イリアス』(下)、松平千秋訳、岩波文庫、1992年

【アタクシ的メモ】
「アキレスと亀」という話がある。アキレス(アキレウス)がどんなに駿足だったとしても、先を行く亀には、論理的には追いつけないという内容だ。しかし、現実は違っている。