年齢を重ねでも、初々しさを忘れない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0061】


【短編小説】要求/星新一
殺人計画を立てる男の話から始まるが、UFOの到来とともに、地球は異星人の毒舌と恐るべき攻撃にさらされることに。そして、厳しい要求に世界全体で応えようとしたことで、地球は大きく変化していく。結局、男も殺人などバカバカしくなるほど平和な世の中になり、ある意味で倒錯した状況になってしまうのだ。読者としては、そのねじれた感じが心地よかった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】汲む/茨木のり子
回顧録のような、先達へのお礼の手紙のような詩である。筆者は「私はどきんとし」と書いているが、読んだ私も一緒にどきんとしたというか、心に深く届いたというか。「初々しさが大切なの/人に対しても世の中に対しても」という言葉を聞いて、初心に帰りつつ、何ともホッとしたのだった。

【論考】ふたたび「風流」について/森本哲郎
筆者の主張は、「風のなかに自分の魂の声をきくこと、それがほんとうの風流だ」ということのようだ。そうだと思う部分もあるが、「魂の声」や「風流」が十分に議論されていないようにも感じる。風に関する俳句や歌、エピソードが数々語られるが、むしろ理由や論理を語ってもらいたかった。