不意にこの芝生の上に立っていた【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0109】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】清水課長の二重線/朝井リョウ ○
若手社員とベテラン社員の対立的なストーリーなのかと思っていたら、今はしっかり者の社員も、若いころは経験不足でちゃんと苦労していたという話だった。当たり前だが、人は変わるんだなと改めて認識したし、同時に今の存在は、過去によって形づくられるのだとも思った。文体は嫌いではないが、少し苦手かもしれない。

【詩・俳句・短歌・歌詞】芝生/谷川俊太郎 ○
前回の「かなしみ」同様、理解できたという感じではなかったが、今回は人が生きること、人間の生命について語った詩のように思う。「不意にこの芝生の上に立っていた」というのは、人は自分の意志とは関係なく生まれ出てくることを書いているのだろうか。芝生はグリーンなので、地球上の緑、自然のたとえなのかもしれない。

【論考】寝させる/外山滋比古 ○
夜の頭より朝の頭の方が信頼できることもあり、思考を生み出すにば“寝させる”ことが必須だという。一般の感覚で言っても、その通りだと思ったが、論の進め方が、想像以上に科学的ではないのに少し驚いた。この文章が書かれたのが約40年前だから、社会全体が進歩成熱した証なのかもしれないと思った。