人によって「ゆきとどく」も異なるなずで【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0025】


【短編小説】ゆきとどいた生活/星新一
あらゆることが自動化されており、亡くなったテール氏も、会社の前まで連れていかれることに。ゆきとどいたというよりも、過剰な手当だと思う。とても皮肉な感じがするし、哀しくもある。やはり人間の目や判断がない生活は、なかなか受け入れづらいだろう。それにしても、現在の様々な自動化と近い雰囲気があるのは、星新一さんの先見の明に少し驚いた。

【詩・俳句・短歌・歌詞】山のあなた/カールブッセ
きちんと解釈、理解できているわけではないが、お馴染みの詩である。久々に読んだが、不思議と胸に迫ってくる。改めて言葉が持つ力は強く、少ない言葉のなかでも、人それぞれに行間を感じられるのではと感じた。

【論考】ふたたび人間の心について/森本哲郎
人間の心は、サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(陰質)という3つの成分からできていて、どれも心を束縛してしまうから、同じ距離を保つべきだそう。大きな異論があるわけではないものの、すんなりと腹落ちするわけでもない。心に関する2つの論考を読んで、あまりきちんと考えてこず、無知であることを再認識した。