レット・イット・ビーという漠たる宇宙【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0030】


【短編小説】妖精/星新一
何でも願いをかなえてくれる妖精。ただし条件があり、同時にその2倍が、ライバルにもたらされるという。そのため、あらゆる願いが求められない。ジレンマ。最終的には、ライバルの元へ行くよう願うが、自分にはずっと何も起きない。皮内な結果を受け入れるしかないケイ。妖精という特別な存在と、平凡な自分とのギャップが、鮮明に突きつけられただけに終わる。

【詩・俳句・短歌・歌詞】わたしと小鳥とすずと/金子みすゞ
解説にあった通り、「いつも見えないものを見ていたのだ」と思う。みすゞのとてもフラットで、ある意味で現代的な視点が心地ヨイ。書いた本人も、将来そんな世の中になると思っていたわけではないだろう。完全に後付けではあるけれど、予言のようにも聞こえるのが不思議である。

【論考】人間らしさについて/森本哲郎
ビートルズの「レット・イト・ビー」が出てきたのにびっくり。現在は、社会が情報化されており、世の中のシステム化も進んでいて、あるがままにと言われても、そのままの姿や行動を規定することが困難のように思う。文中に「さまざまに解釈でき」とあったが、私としては漠たる宇宙に投げ出されてしまったように感じる。