レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】二十人目ルール/井上荒野 ○
これだという人を見つけ、二十人目に声をかけるという「二十日目ルー儿」を語る老人。今日、23才の青年から、そのルールに従い声をかけられたと話すも、それはどうやらいつもの妄想のようだ。この虚言と本人の家庭での居心地の悪さがないまぜになり、ストーリーは進む。面白いと感じる半面、結局、何を伝えたかったのだろうと首をひねった読後感だった。
【詩・俳句・短歌・歌詞】夕づつを見て/佐藤春夫 ◎
夕づつとは、夕方、西の空に見える金星。宵の明星だ。調べてみて分かった。6行のつぶやきのような詩である。私はあまり宵の明星を見てきたわけではないが、そのつぶやきのような口数の少ない言葉によって、自然と目の前に現れ出てきた。ある意味で、言葉のマジックにかかったのだろう。
【論考】触媒/外山滋比古 ○
何か触媒するものがあれば、人間の創造性は高まるという主張。先の「醗酵」や「寝させる」などと、近しい考え方だと思う。そして、組み合わせの要素が変わったり、新しいアイデアが加わることで、全く別の思考や企画が出来上がることは、よくあることではないか。ただ、仮に方法や手順は分かっても、実際にアウトプットはなかなかできないというのが実情であろう。