骨の手応えや血のぬめり【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0087】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】セックス・アピール/ルシア・ベルリン ○
「わたし」の従姉は、西テキサス一番の美人。ベラ・リンは、ただただきれいで、周囲の男性の視線を一身に集めてしまう。また、有名人と付き合おうと、まだ少女である「わたし」を、なぜか巻き込んでしまうのだ。そして、そのために性的な扱いをされるのだが、そこがドライに書かれていて不思議な印象が残った。

【詩・俳句・短歌・歌詞】儀式/石垣りん ○
母親は成長した娘に、魚を捌くときの骨の手応えや血のぬめりを伝えなければならないと説く。それはそうだろうと思うと同時に、それが母親と成長した娘でなくてはならないのはなぜなのかとも思う。全く男子が登場しないことに、違和感も感じる。

【論考】常識について/森本哲郎 ○
日本の社会が、常識の名において、問題を解決変できる状態になく、イギリスのコモン・センス(常識)やフランスのボン・サンス(良識)とは異質だという指摘は重要だと思った。日本における常識とは、同調圧力に近いように感じる。また最近では、人々に共通認識と言えることが乏しく、社会全体が断絶しているのではないか。