本当に大事なものは、君の中にこそある【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0102】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】手紙/角田光代 ◎
旅の直前に恋人と喧嘩して、おひとり様で旅館に泊まる女性。部屋に置いてあった本の中から、偶然にも手紙を見つける。少し自分の境遇とも似ており、段々と手紙の語り手と自分を重ね合わせるようになる。共感しつつも、相対化することで、現在の自己を超え出ようとしているのだろうか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】用意/石垣りん ○
四季の移り変わりと、自身が生きることをオーバーラップさせている。秋から冬にかけて、樹木から葉が落ちることは「洞落」ではなく、次の季節への「用意」ととらえているのだろう。その解釈に異論はないが、それを踏まえた読者への具体的なメッセージが、私としては欲しかった。

【論考】お金/池田晶子 ◎
お金の必要性は十分に認めつつ、「本当の価値、君の人生にとって本当に大事なものは、君の中にこそある」というのが、池田さんのメッセージ。今、仕事の再検討をしているので、ある意味で気づいていることだったが、生活が順調だと、お金を得ることが目的化されがちになってしまうだろう。気をつけなければ。