二葉亭四迷【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#046】


【2月15日】二葉亭四迷:1864.2.28~1909.5.10

誠に人生は夢の如しといふうちにも、小生の一生の如きは夢よりも果敢なくあはれなるものなるべし。……かくして空想に入りて一生を流浪の間に空過し、死して自らも益せず人をも益せず、唯妻子を路頭に迷はすのみにてはあまりに情けなく候へど、これも持たが病已むを得ず候。(明治36年2月15日付、奥野小太郎宛書簡)

『二葉亭四迷全集』第七巻、岩波書店、1965年

【アタクシ的メモ】
二葉亭四迷という筆名の由来は、自分自身を「くたばって仕舞え」と罵ったことによるそうだ。上記の引用も、自身に対する後ろ向きな気持ちを、手紙に綴ったといったところなのだろうか。