内なる宇宙を認識することから始める【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0032】


【短編小説】ある研究/星新一
読み手の先入観や勝手な想像を上手に利用したストーリーにしてやられた。研究と言われると、現在か未来を自動的に想定してしまうだろうが、全く別の時間軸の話だった。「新しい毛皮欲しいの」という妻の発言も、現代ではあまり言われなそうだが、書かれた当時はきっとそれらしいものだったはずだ。

【詩・俳句・短歌・歌詞】春暁/孟浩然
「春眠暁を覚えず」は、よく母親が口にしていたこともあり、懐かしさを感じるくらい。ただ、作者である孟浩然の名前は全く知らなかった。ある意味で当たり前なのであるが、古い詩は、描くことが身の周りのことで、情景も自然と頭に浮かんでくるから、シンプルだけど情感が豊かだと思う。

【論考】宇宙について/森本哲郎
カントの「わが上なる星らりばめたる空と、わが内なる道徳律と」という言葉を取り上げていて、ちょっと前に読んだ書籍で、池田晶子さんも似た主張をされていたこともあり、シンクロする感じがあった。確かに、限りない宇宙は、我々の外側に延々と広がり続け、一方で私の内にも宇宙のような無限が存在するように感じている。