レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】どこであれそれが見つかりそな場所で/村上春樹 ○
唐突に高層マンションの階段で姿を消した「夫」。その男性を探すために階段に通い、様々な人と話をする「私」。夫はなぜか仙台で見つかる。私の捜査は何の意味があったのか、私には理解できなかった。文章も村上さんらしい感じで、奇譚というよりも、いつものヤツという感じ。
【詩・俳句・短歌・歌詞】ふと思うことありて/橋間石 大岡信 ◎
「ふと思うことありて/蟻ひき返す」。これも、蟻の動ぎを端的に描写しただけであるが、不思議なほどグッとくる。解説する大岡さんは、「思っているのは確かだろう」と述べている。私は蟻が「思う」ことの発見が、強い印象を与えるのではないかと感じた。
【論考】科学技術と私たち/池田晶子 ○
デジタル化が進み、私たちは科学技術が所与のものように考え、一方で科学以外のものは見えなく、無価値のように扱ってはいないだろうか。筆者が「花の美しさは、人間が作ったものではない」と言うように、数値化や計測できない価値や意味を認め、そこにも着目する必要があると感じた。