どうして哲学なのか【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0174】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】ワシーリィの生涯のためのスケッチ/リディア・デイヴィス ○
川で桃が流れてくるほどではないにしても、ストーリーらしきものがあまりないのは、苦手だし、やはり読みづらい。その内容も、家族たちが赤の他人であったら、誰ひとり友人に選ばないという、悲しい終わり方である。そして、主人公が食べかけていたサンドイッチを、寝ている間に犬が食べてしまうところに、何か救いのようなものが、あるのかもしれないと感じた。

【詩・俳句・短歌・歌詞】崖/石垣りん ○
サイパン島の崖の上から、身を投げた女性たちのための詩。「ゆき場のないゆき場」という表現がとても悲しく感じる。最後の連では「まだ一人も海にとどかないのだ。/十五年もたつというのに」と語られる。この部分は、正直言って解釈できないでいる。死んでも死にきれないということだろうか。

【論考】どうして哲学なのですか/池田晶子 ○
もともとはビジネス誌向けに書いた没原稿だという。「なんで私なんですか」と聞いたようだが、そこからもう池田さんらしい感じである。ただ、時代が変わっていることもあって、今ならビジネスパーソンであっても、哲学は必要になっていると思うし、筆者が言うほど役に立たないわけではないと感じる。