内田百閒【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#150】


【5月29日】内田百閒:1889.5.29~1971.4.20

生きてゐるのは退儀である。しかし死ぬのは少少怖い。死んだ後の事はかまわないけれど、死ぬ時の様子が、どうも面白くない。妙な顔をしたり、變な聲を出したりするのは感心しない。ただ、そこの所だけ通り越してしまへば、その後は、矢つ張り死んだ方がとくだと思ふ。とに角、小生はもういやになつたのである。(「無恒債者無恒心」)

『新輯 內田百閒全集』第2巻、福武書店、1986年

【アタクシ的メモ】
恥ずかしながら私も、生きるのが退儀であると感じることが多い。もちろん、幸せを感じることもあるのだが、やはり家庭を持ってからは、辛いと思うことが増えたかもしれない。それでも今は、家族を自分の生きる目的にしている。