僕は妻と娘をかわいいと思う【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0120】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】ペチュニアフォールを知る二十の名所/津村記久子 △
旅行代理店の担当者が、おすすめの旅先として語るペチュニアフォール。実在する土地なのか、しないのかは定かではないが、場所ごとにエピソードが語られるので、何ともストーリーが有機的に立ち上がってこない。これは先の「十二面体関係」と同様。あちらよりは読みやすかったが、読み進める気持ちが出づらかった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】君はかわいいと/安水稔和 △
二度ほど読んだ。何となくは理解できるが、作者の意図はストンと腹に落ちない。なぜ「かわいい」という言葉が、君とぼくの間をゆききしたがらないのだろうか。ぼくが、君のことをかわいいと思っているのなら、素直にその言葉で表現すれがヨイのではないか。

【論考】メタ・ノート/外山滋比古 ○
前回の通り、自分の頭に浮かんだことを、手帖やノートに書き留める。そうして寝さしたものを、また別ノートに移すのをメタ・ノートと呼ぶそうだ。ただ、個人的にはメタというより、選抜と言った方が正しく感じる。最近の膨大なデジタルデー夕を考えると、きちんと選別して、紙に集約した方が扱いやすいかもしれない。


「人生には正解がない」【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0119】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】いまニ十歳の貴女たちへ/白石一文 △
「人生には正解がない」と語る小説というよりは、スピーチのような文章。語っている主体は誰なのか全く分からない。筆者本人なのか、神のような超越者なのか、定かではないのだ。主語を明確にしないまま、不倫は悪とは言えないと明言されても、読み手としては偏った意見にしか感じられないのではないか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】嫁こ/斎藤庸一 △
こんなお嫁めさんが欲しいといったことを、ある意味、真正直に語っているのだろう。私自身も若いころ、まだ結婚を真剣に考えていないくらいの年齢の時に、理想の相手を夢見たかもしれない。ただ、既に結婚もし、令和の時代に読む女性差別的な印象を感じてしまうのだった。

【論考】手帖とノート/外山滋比古 ○
考えが浮かんだら、寝させておくために、手帖ノートに記録しておくべきだという。単にメモするのでなく、データ・ベースに貯めるようして、ちゃんて整理、管理する方法を示している、これで書かれたころは、一定の効果があったと思われるが、スマホ時代にある現在だと、手法としては、すべて塗り替えられてしまったように感じる。


理性や言葉に性別は関係しない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0118】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】マダガスカル、バナナフランベを20本/桐野夏生 ○
ヨイ意味で癖がなく、読みやすい文章だというのが第一印象。ストーリーも別れ話を切り出そうとする女性が、何だか別の方向に行ってしまうという感じが、日常感もあり面白かった。とは言え、歌が下手な人が、ステージで歌い続けるなど、納得しづらいンテューシュもあり、後半は少し興が削がれた。

【詩・俳句・短歌・歌詞】海鳴り/高良留美子 ○
女性性について詠んだ詩なのだろうか。自分は男性なこともあり、比喩的な表現を含めて、内容があまり理解できていないように思う。理性や言葉は性別に関係ないと考えているので、女性らしさの詩であっても、性別を問わない表現にしてもらえるとよかったのにと感じた。

【論考】つんどく法/外山滋比古 ○
つんどく法とは、自分が調べたいテーマに関する書籍を片っ端しから集め、メモも取らず次々と読んでいく方法だという。前回は、メモを取ることを前提にしていたが、この方法では自分の記憶力を信じて、とにかくインプットを増やすようだ。自分はメモがやや苦手なので、無意識につんどく法をやってきた感じである。


山も空も青く見える【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0117】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】20光年先の神様/木皿泉 ○
学生時代の不合理で、微妙な人間関係の描き方は、とても上手くいっていたと思う。そこから、友人に死んでほしいと真剣に願う様子も、説得力があった。ただ、最後にほとんど言葉を交わさず和解できるのは、ちょっとご都合主義な印象がある。時を経て変化があったからといって、そんなに簡単に許せないと思うからだ。

【詩・俳句・短歌・歌詞】遠景/木山捷平 ○
たとえば、ここから見える景色は、一通りであろうが、人によって見え方は異なるのだろう。遠くの山と空を見ていても、青ばかりが目に入ってくる人があるかもしれない。受容体としての人間の違いを表現した詩なのだろうか。いずれにせよ、「正しい認知」が存在しないことを理解しなければならない。

【論考】カード・ノート/外山滋比古 △
知的創造性のために、カードやノートをいかに使うべきかを述べている。冒頭に百科辞典なども出てくるので、流石に古い手法だとは思う。現在だと、スマホやデジタル活用の話も加わると思うが、あまりにプラットフォームやツールが増えすぎて、無秩序になっているのが実情ではないだろうか。


自分とは違う感性に触れる【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0116】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】20/川上弘美 ◎
小学3~4年生くらいの主人公で、視点や思考が年齢に合っているのが、地味な点ではあるものの好印象だった。未成年なのに考えがやけに大人びている小説もよくあり、それは書き手都合だし、リアリティーがなく、作為を感じてしまう。内容自体も、幼いながらも、自分とは違う感性に触れられて、新鮮だったし、心地よかった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】単純な朝餐/山村暮鳥 ○
パッと読むと、ちょっとアジテーションぱい感じもするが、家族との朝食に感謝したり、喜びを感じたりする、清らかな詩である。もしかすると、ここに、親の優しさや自然に対して感じる有り難さを盛り込めたら、もう少し立体的な感触が増したのではないか。

【論考】スクラップ/外山滋比古 ○
新聞などの切り抜きを、どのように扱えばヨイのかという話。紙が前提になっているので、単純に考えると、今だとやや古い内容になるが、メディアの特性を考慮しながら、管理の方法を検討するという点では、普通的だとも言える。ただ現在は、情報やプラットフォームが多すぎて、管理していな人が大半かもしれない。


一神教が抱きがちな誤謬なのだろうか【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0015】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】悪い春/恩田陸 ○
今回は不条理系ではなかった。その点では読みやすいと言えるだろう。会話がとても多くなっている。登場人物にりアリティーがあるのに好感はもてるが、ややチープな文体な印象もあった。今どきの言葉使いを多用すると、どうしても軽く感じてしまうだろう。また、この小説のメッセージも理解できぬまま終わってしまった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】誰か/宗左近 △
ここで言う「誰か」は、神や創造主を指しているのだろうか。歴史や文化の不思議を詩にしていると解釈しているが、一元的な主体を想定している点で、個人的にはどうしも偏りがあると感じる。作者は、何らか一神教の信者なのかもしれない。今これを読むと、私には違和感が大きいというのが正直なところである。

【論考】情報の“メタ”化/外山滋比古 △
この論考でのメタ化を一言で言うと、抽象度を上げるということのようだ。それが全くの間違いだとは思わないものの、私は視点や位相を変える高めることだと考えているので、何だか芯を食っていない感じがする。要約や目次もメタ化の一つになっているようなので、ちょっとお手軽すぎる部のではないか。


言葉によって月から地球を見る【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0114】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】十二面体関係/円城塔 △
20人の登場人物が、名前と番号とともに、10行程度で説明されるという独特な文章。小説というよりは、調書のよう。なので感情移入もできないし、一人の人物を三名がそれぞれ殺したと証言するなど、合理性も整合性もない内容である。今回も読むのが苦痛だった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】月から見た地球/北原白秋 ○
自分なりに、言葉を丁寧に追っても、あまり像が結ばなかった。私にとっては、言葉がよそよそしい感じである。月から見た地球というくらいなので、壮大な視点ではあるが、何か空想的な表現が続いているからだろうか。地球創生を語っているようだが、一点にフォーカスした方が伝わってくるように思う。

【論考】セレンディピティ/外山滋比古 ○
今回は、偶然の出会い、思わぬ獲得について。あくまで自分の感覚であるが、現在のように情報爆発の時代は、かえってセレンディピティは起こりづらいように思う。一つひとつの情報が軽んじられがちだし、情報消費に精一杯で出会いと感じづらいからだ。「寝させる」など、時間的な猶予も大切ではないか。


未知を解く類推のカ【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0113】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】蒸籠を買った日/江國香織 △
今回も(?)不条理小説で、ちょっとうんざりしてしまった。理にかなっていない物語を読むのは、何かの魅力など、読む理由がないと成り立たないと思う。その点でいえば、ただただ不可思議な状況が続き、解釈できぬまま終わってしまった。主人公の私は、何に共鳴したのだろうか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】朝を愛す/室生犀星 △
朝活をすすめる啓発本のような詩である。言葉便いが、やや古いこともあってか、文字がなかなか頭に入ってこなかった。読み終っても、余額のようなものもなく、何だかまくし立てられた気分になってしまう。タイトル通り朝を愛しているのなら、もっと別の表現があったのではないか。

【論考】アナロジー/外山滋比古 ○
『思考の整理学』を読んでいるわけだが、毎回、同じようなことを少しずつずらして言っているように感じてきた。もちろん、悪い意味ではない。今回は、似ている形式、構造から類推することを紹介している。単純と言えば、単純ではあるが、暗記に頼る知性の人にはできない方法ではある。


宵の明星、星のごとく【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0112】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】二十人目ルール/井上荒野 ○
これだという人を見つけ、二十人目に声をかけるという「二十日目ルー儿」を語る老人。今日、23才の青年から、そのルールに従い声をかけられたと話すも、それはどうやらいつもの妄想のようだ。この虚言と本人の家庭での居心地の悪さがないまぜになり、ストーリーは進む。面白いと感じる半面、結局、何を伝えたかったのだろうと首をひねった読後感だった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】夕づつを見て/佐藤春夫 ◎
夕づつとは、夕方、西の空に見える金星。宵の明星だ。調べてみて分かった。6行のつぶやきのような詩である。私はあまり宵の明星を見てきたわけではないが、そのつぶやきのような口数の少ない言葉によって、自然と目の前に現れ出てきた。ある意味で、言葉のマジックにかかったのだろう。

【論考】触媒/外山滋比古 ○
何か触媒するものがあれば、人間の創造性は高まるという主張。先の「醗酵」や「寝させる」などと、近しい考え方だと思う。そして、組み合わせの要素が変わったり、新しいアイデアが加わることで、全く別の思考や企画が出来上がることは、よくあることではないか。ただ、仮に方法や手順は分かっても、実際にアウトプットはなかなかできないというのが実情であろう。


20年で人は大きく変わる【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0111】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】if/伊坂幸太郎 ○
ifという題名と、AとBとに分けられていることから、AかBかと、2つのストーリーが並べられていると思った。しかし読んでみると、Aに似たBという20年後の物語であった。実験的な作品だとは思うが、自分自身としては、あまり好きにはなれなかった。20年という歳月は、人を大きく変えると思うからだ。

【詩・俳句・短歌・歌詞】水の星/茨木のり子 ○
水の星とは、特にひねりもなく地球のことである。俯瞰して見ることで、いつも自分たちが感じていない地球を理解できるのかもしれない。ただ、表現が緻密ではないせいか、何だかとらえようがない感じである。抽象的過ぎるので、読み手としてはやや迷子になってしまった。

【論考】エディターシップ/外山滋比古 ○
一言で言ってしまうと、編集は大事だということ。自ら文章を書くと、確かに自発性は生まれるだろう。ただ、ここでは組み合わせの妙で、さらに価値が高まると説いている。私は長く、記事コンテとツの編集をやってきたが、そうした経験上でも、編集の力を信じている。