「ヒポクラテス」「仏教伝来」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#014】


2週第7日(日)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
14 宗教:ノア
神は、自ら創造した世界で人間が罪を重ねるのに腹を立て、40日間昼夜にわたって雨を降らせ、大洪水を起こすつもりだとノアに告げる。ノアは箱舟を作り、人間やあらゆる動物の雌雄を乗せて、大洪水から逃れる。水が引いた後、神は「産めよ、増えよ」と言って、子作りに励ませた。  

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
14 伝道者・預言者:エレミヤ
エレミヤは、紀元前586年のエルサレム破壊や、その後のバビロン捕囚などの大きな災いを、ユダヤ人の罪に対して神が罰を与えたと考えた。そのため彼は、強い言葉で警告を発しており、ユダヤ人からの評判は芳しくなかった。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
14 大衆文化:麻雀
中国生まれの麻雀(マージャン)は、1907年にイギリス人によって西洋に消化され、アメリカでは1920年代に流行。その絶頂記には、麻雀牌の需要が高まり、中国でも150万ドル規模の産業となった

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
14 医学の歴史:ヒポクラテス
ヒポクラテスの誓いは、患者の健康のために医師が常に最善を尽くすと誓約したもの。ヒポクラテスは、病気が超自然的な力や神の力によって引き起こされるという迷信を最初に否定した医師である。『ヒポクラテス全集』においても、医学の実際的な問題に言及している。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
14 哲学・思想:仏教伝来
紀元前5世紀末頃にインドで成立した仏教は、中央アジア、中国、朝鮮半島を経て、6世紀半ばに日本に伝えられた。仏教の受容に対しては、蘇我稲目が賛成したが、物部尾輿と中臣鎌子は反対を表明。これが武力衝突に発展し、受容派の蘇我氏が勝利した。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
14 文化・芸術:縄文土器・弥生土器
草創期の縄文土器は無文だが、時代に縄目の文様がつけられるようになり、火焔土器や出産土器などが登場する。祭祀や弔いにも使用されていたようだ。弥生土器は、縄文土器より薄くて硬く、実用的な造形が特徴だ。ろくろは発明されておらず、縄文土器同様に紐作りの技法で形成された。


徳川家康【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#0015】


【1月15日】徳川家康:1542.12.26~1616.4.17

人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如し。いそぐべからず。不自由を常とおもへば不足なし。こころに望おこらば、困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の基。いかりは敵とおもへ。勝事ばかりを知りてまくる事をしらざれば、害其身にいたる。おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。
  慶長八年正月十五日     家康

「東照宮遺訓」編者校訂

【アタクシ的メモ】
確かにその通りと思うことばかりで納得させられる。個人的に一番印象に残ったのは、「不自由を常とおもへば不足なし」である。


月と浜べとボタン【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0041】


【短編小説】愛用の時計/星新一
ある意味では、アニミズム的なストーリー。表現がさらっとしたせいか、話の筋をつかむのに、少し苦労した。結論だけ見ると、そんなこともあるのかなというフィクションではあるが、少し夢がある感じが気持ちを幾分前向きにさせる。ただ2020年代っぱくはないとも思う。

【詩・俳句・短歌・歌詞】月夜の浜べ/中原中也
月が出る浜べでボタンを拾ったが、それを投げ捨てられなかったという詩。事象としては単純だが、作者の心持ちやなぜ詩として表現されたのかは、想像するしかない。私の解釈では、ボタンは中也自身であり、月や波は世間や社会をイメージしているのではないだろうか。捨てないという判断をしても、それは力を生み出すわけではないけれど。

【論考】渡世について/森本哲郎
一読、二読して思ったのは、ちょっと分かりづらいなぁということ。結局は、日本人の生き方がアンビヴァレンツ(両価的)であり、自由であると言いたかったのか。それ自体には異論はないが、何だかかえって分かりづらく説明されているように感じた。また、エコノミック・アニマルという言葉については、隔世の感がある。


マルティン・ニーメラー【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#014】


【1月14日】マルティン・ニーメラー:1892.1.14~1984.3.6

ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した――しかし、それは遅すぎた。

ミルトン・マイヤー『彼らは自由だと思っていた』(田中浩・金井和子訳、未来社、1983年)

【アタクシ的メモ】
当時、ナチ党が段階を追って社会を変容させていたようだが、それを感じながらも、対応が「遅すぎた」というのが残念に思える。


「ソクラテス」「天照大神」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#013】


第2週第6日(土)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
13 哲学:ソクラテス
ソクラテス(紀元前470~前399)は、西洋哲学の創始者。著作は何も書き残していない。もし自分が他の人より賢いとすれば、それは自分の無知を自覚しているからだと語った。いわゆる「無知の知」である。また、自他を吟味しない人生は、生きるに値しないと主張した。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
13 反逆者・改革者:ソロン
古代ギリシア七賢人のひとりとして知られるソロン(前640頃~前560頃)。厳しすぎる法律を見直し、刑罰を軽くした。また政治改革を行い、政治的権限を貴族から一般市民へ移した。四百人評議会という代表による評議会を設置したが、これは民主主義の集会の元と言えるものだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
13 スポーツ:サイ・ヤング
サイ・ヤングは、偉大な右投手として大リーグで22年間活躍し、勝利数(511)、敗北数(316)、投球イニング数(7356)、先発試合数(815)、完投数(749)で通算最多記録を持っている。5つのチームでプレーし、30勝以上を5回、20勝以上を15回マークした。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
13 ライフスタイルと予防医学:アミノ酸
タンパク質は、数多くの異なるアミノ酸から作られている。健康に欠かせないアミノ酸は22種類あり、そのうち13種類はタンパク分解によって体内で合成できる非必須アミノ酸だ。残り9種類は必須アミノ酸で、食物を食べることによってのみ摂取でき、肉、ミルク、チーズ、卵、野菜、ナッツ、穀物に含まれている。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
13 伝統・文化:正月
正月とは、一年の初めに新しい年を迎えられたことを祝い、その年の豊作と家族の健康を約束してくれる歳神様(ご先祖様)を迎える行事。「明けましておめでとうございます」は、歳神様を迎える挨拶といわれている。鏡餅は、歳神様へのお供えもの。お節料理は五穀豊穣、子孫繁栄を祈り、保存食としての役割も果たす。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
13 人物:天照大神
天照大神(あまてらすおおみかみ)は、伊弉諾(いざなぎ)と伊弉冉(いざなみ)が、月読尊(つくよみのみこと)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)とともに、最後に生んだ神で「三貴神」と呼ばれる。なぜ日本では最高神が女神なのか。日本書紀編纂に、女帝である持統天皇が関わったことが大きいようだ。


おお 雨の音 雨の歌【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0040】


【短編小説】程度の問題/星新一
疑り深いスパイ、エヌ氏の物語。一方でのん気なスパイも失敗に終わる。読み終えると「確かに程度の問題だな」と思う。しかし、実際に現場で仕事をしていると(もちろんスパイ活動ではないが)、どの程度にすればヨイのか、なかなか判断が難しい。人というのは思った以上に、俯瞰して物事を見られないのである。

【詩・俳句・短歌・歌詞】都に雨の降るごとく/ポール・ヴェルレーヌ
訳のおかげか語感がとても気ちよく、それだけで読みたくなる感じだった。個人的には「おお 雨の音 雨の歌」の行で、ギアが上がる感覚にグッときた。ホップ、ステップ、ジャンプみたいな。詩全体としては抽象度が高いので、虫の目のような、ミクロな視点があってもよかったのでは。

【論考】忘却について/森本哲郎
筆者の意見は、「日本は過去を大事にせず、新しいものばかりに目を向ける」といったところだろうか。確かに、建物などはスクラップ&ビルドで新築にしか価値を認めない傾向がある。ただ、たまたま読んだ教養書によれば、正月は歳神様を迎える祝い事で、歳神とは先祖たちのこと。そう考えると、日本も過去を大切にしているように思う。


「レスボス島のサッフォー」「アニミズム」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#012】


第2週第5日(金)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
12 音楽:旋律
旋律は、メロディーと呼ばれることも多く、一つまたは複数の楽器で演奏されて、和声(ハーモニー)、リズムと並び、音楽の三要素の一つである。普通旋律は、楽句(フレーズ)という短い単位がいくつか集まって、全体構造を形作る。モーツァルト、シューベルト、シベリウスの三人が、旋律作りの天才と言われる。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
12 文筆家・芸術家:レスボス島のサッフォー
「レズビアン」の語源となったレスボス島出身のサッフォー(前630頃~前570頃)は、古代ギリシアの詩人。彼女は同性愛を題材にした西洋史上最初の作家の一人であり、死後数百年年後にプラトンにより「十番目のミューズ」と評されている。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
12 思想と社会:ラッダイト
ラッダイト主義とは、科学技術に対する激しい反感のこと。この名は、19世紀のイギリスで、新しい工場制機械工業に生活を脅かされて、機械の破壊運動をした繊維労働者(ネッド・ラッドという名で実在が不確かな人物)に由来する。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
12 性徴と生殖:精子
精子は、男性の精巣で毎日約3~4億個が成熟する。雄性生殖細胞は、ヒトが持つ全染色体の半数にあたる23本の染色体を核の中に詰め込んでおり、子どもの性別を決めるのは精子である。放出された精子は、最長7日間生存できる。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
12 芸術:祭器
弥生時代に大陸から持ち込まれた銅矛や銅剣、銅戈などの金属製品は、祭器として扱われるようになった。やがて弥生時代の中ごろになると、中国から神獣鏡のような銅鏡も伝来するようになる。銅鐸も弥生文化を代表する遺物だが、これも祭器として用いられたようだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
12 暮らし・信仰:アニミズム
アニミズムとは、万物に精霊や霊魂が宿っているとする思想で、原始宗教の一形態。時代が下ると、アニミズムの神話の中に、氏族の祖先が神として登場する例がある。日本神話も複数の氏族の神話を統合させながら成立したと考えられる。その後、多神教となったり、一神教になったりしている。


ジョイス【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#0013】


【1月13日】ジョイス:1882.2.2~1941.1.13

雪は、また、マイケル・フェアリーが埋もれている丘の上の淋しい教会墓地のいたるところに降っている。雪はゆがんだ十字架や墓石の上に、小さな門の穂先の上に、不毛ないばらの上に、深々と降り積もっている。彼の魂は雪の降る音を耳にしながら、しだいに知覚を失っていった。雪が、かすかな音を立てて宇宙に降り、最後の時の到来のように、かすかな音を立てて、すべての生者たちと死者たちの上に降りそそぐのを耳にしながら。(「死者たち」)

『ダブリンの市民』高松雄一訳、集英社、1999年

【アタクシ的メモ】
雪は、分け隔てなくあらゆるところに降り積り、そして生者に対しても、死者に対しても降るのだった。


理想郷として、何をイメージすればヨイのか?【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0039】


【短編小説】意気投合/星新一
国や地域が違えば、文明、価値感も異ってくるだろうから、「歓迎」の意味するところも、単なる友好関係とは限らないであろう。どんなどんでん返しがあるのかと思ったら、金属不足な惑星だったという。それにしても、金属が貴重な星の人たちが、宇宙船を簡単に解体したり、利用できるのだろうか?

【詩・俳句・短歌・歌詞】朝 私は海に網をうった……/ラビンドラナート・タゴール
「網をうった」というフレーズを読んででとき、『釣りキチ三平』をふと思い出し、また読みたくなった。さて本題に入ると、インドの詩を初めて読んだと思う。とても独特な感じがする。詩というよりも、散文のようだし、今でたとえると、ツイートみたいな気もする。ロジカルでもないし、思いのまま書かれているように思える。

【論考】ユートピアについて/森本哲郎
まず「ュートピア」という言葉を聞かなくなったなぁと思った。多様性の時代には、理想郷は人それぞれだし、何とも共有しづらいのだ。文中で言われるように、「ユートピアとは自然である」というのは、少なくと現在では当てはまらないのではないか。共有しづらいだけでなく、多くの人にとって、理想はぼんやりしていると思う。


アガサ・クリスティ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#0012】


【1月12日】アガサ・クリスティ:1890.9.15~1976.1.12

会話において、何かをかくしているものほど、危険なものはないよ! あるフランスの老賢人が私にいったことがある。話というものは、考えることを妨げるための、発明だ、とね。そしてまた、人がかくそうと思っていることを発見するための、誤りのない方法でもあるわけだ。人間というものはだな、ヘイスティング、自分自身をあらわし、その個性を表現するために、会話が与えてくれる機会には、抗し得ないものだよ。

『ABC殺人事件』堀田善衛訳(『世界名作推理小説体系』9、東京創元社、1960年

【アタクシ的メモ】
人は、会話すると考えなくなる。会話は、隠し事を発見する方法。会話は自分の個性を示すための格好の機会ということか。だとすると、「会話において何かをかくす」ということは、非会話的な精神状態なのだろう。ちょっと当たり前すぎる言説にも思えるが…。