プラトン【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#002】


【1月2日】
プラトン:前427~前347
正しく哲学している人々は死ぬことの練習をしているのだ。そして、死んでいることは、かれらにとっては、誰にもまして、少しも恐ろしくないのである。こういう風に考えてみたまえ。もしも、かれらが至るところで肉体と仲たがいしてきて、魂それ自身だけを持とうと熱望してきたのに、そのことが起こると、恐怖を覚えて憤激するというのでは、これ以上の不合理はないだろう。

『パイドン 魂の不死について』岩田靖夫訳、岩波書店、1998年

【メモ】
人間の死は肉体の死であり、魂は不滅ということか。また哲学するのは、魂だけを持とうとするということか。

【関連リンク】
プラトンとは – コトバンク
パイドン – Wikipedia


柿本人麻呂【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#001】


【1月1日】
柿本人麻呂:生没年不詳
東(ひむかし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ
淡海(あふみ)の海夕波千鳥汝(な)が鳴けば情(こころ)もしのに古(いにしへ)思ほゆ
ぬばたまの夜さり来れば巻向の川音(かわと)高しも嵐かも疾(と)き

『万葉集』(一)(二)(『日本古典文学大系』4・5、高木市之助ほか校注、岩波書店、1957-59年)

【メモ】
柿本人麻呂は、山部赤人とともに「歌聖」と呼ばれたそう。ここに挙げられた3つの歌は、どれも物悲しい感じがする。

【関連リンク】
『東の 野に炎の 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ』現代語訳と解説 |マナペディア|
『淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば 情もしのに古思ほゆ』わかりやすい現代語訳と解説 |マナペディア|
ぬばたまの夜さり来れば巻向の川音高しも嵐かも疾き


光がこぼれる不思議【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0028】


【短編小説】気前のいい家/星新一
細かく考えると、指定したカバンじゃないと防犯できないなど、欠点もあると思うが、よくできた話である。エヌ氏はますます繁栄していくだろと感じるものの、読者としては、何となくスッキリしない気分もある。どちらかー方がすべてを得るということに、納得できないのかもしれない。

【詩・俳句・短歌・歌詞】薔薇二曲/北原白秋
解説などを読むと、「ナニゴトノ不思議ナケレド」が、実は不思議だというところに、この詩の本質や意義があるという。もちろん、存在と生成に世界の不思議はあるのだけれど、私個人としては、最後の「光りコボルル」が一番印象に残った。光りがこぼれる不思議と言えばヨイのだろうか。

【論考】ふるさとについて/森本哲郎
私自身について言うと、親が転勤族だったため、ふるさとと言えるような場所はない。ましてや、田園と都市を対立的に語るのもやや抵抗感がある。帰るような場所があるのは、むしろ羨望に値するというのが正直なとこころだ。自身が根なし草に感じることも少なくない。