フランシス・ベーコン【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#022】


【1月22日】フランシス・ベーコン:1561.1.22~1626.4.9

ある書物はちょっと味わってみるべきであり、他の書物は呑み込むべきであり、少しばかりの書物がよく噛んで消化すべきものである。すなわち、ある書物はほんの一部だけ読むべきであり、他の書物は読むべきではあるが、念入りにしなくてよく、少しばかりの書物が隅々まで熱心に注意深く読むべきものである。

『ベーコン随想集』渡辺義雄訳、岩波文庫、1983年

【アタクシ的メモ】
書物といっても、内容や深さは様々なので、力の入れ具合を変えるのはもちろんではある。ただ、現代のような情報爆発時代においては、オンラインコンテンツも含め、読むべき書物(テキストコンテンツ)の取捨選択や、力の入れ具合を早めに決定することが重要になってくる。


「プラトン」「節分」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#020】


第3週第6日(土)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
20 哲学:プラトン
プラトン(紀元前427頃~前347)の哲学的著作は対話篇と呼ばれ、二人以上の人物が議論する形式だ。プラトン哲学で有名なのがイデア論。イデアとは抽象的、非物質的なもので、現実世界の事物はイデアを模倣しているとした。また、人が何かを知るとは、魂が肉体に宿る前にしっていたことを想起する(思い出す)という想起説を唱えた。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
20 反逆者・改革者:ルキウス・ユニウス・ブルートゥース
ルキウス・ユニウス・ブルートゥースは、ローマの王政を崩壊させ、共和制ローマを樹立。ローマの主権を、代表者会議である元老院に委ねた。共和制ローマは、のちにアメリカ合衆国憲法の手本となった。共和制の樹立は、ルクレティアの凌辱という個人的な復讐がきっかけである。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
20 スポーツ:ジム・ソープ
ジム・ソープ(1888~1953)は、アメリカにおける究極のスポーツ万能選手。大学時代は11の異なるスポーツで優秀選手に選ばれ、野球とアメリカンフットボールのプロ選手として活躍した。1912年には、ストックホルム・オリンピックの五種競技と十種競技(世界記録)で金メダルを獲得した。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
20 ライフスタイルと予防医学:炭水化物
炭水化物は、タンパク質、脂質とともに3大栄養素の一つ。体内での消化スピードによって、速く消化される単純糖質と、健康に良く消化に時間のかかる複合糖質に分かれる。炭酸飲料、キャンディー、ケーキなどは、悪玉炭水化物と呼ばれることもある。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
20 伝統・文化:節分
節分は元々読経を行ったり、物忌み(静かに家にこもる)をしたりする日だった。現在は、立春の前日である2月3日を節分と呼ぶ。節分の日に豆まきをするのは、悪魔のような鬼の目(魔目)をめがけて豆を投げれば、「魔滅」、魔が減るからだと言われている。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
20 人物:卑弥呼
『三国志』の「魏書東夷伝倭人条」(魏志倭人伝)や後漢書の「東夷列伝」に記述のある女王が卑弥呼である。魏の明帝(202?~239)から、「親魏倭王」の名と紫の組み紐、金印、百枚の銅鏡を賜った。


そうだ ぼくは くまだった よかったな【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0048】


【短編小説】冬きたりなば/星新一
広告だらけの宇宙船を操るエヌ博士。広告だらけということは、あまり本題とは関係がなかった。新しい惑星にたどり着くと「何かある?」と、先読みするよろになってしまったっている。春を迎えるまでの冬眠期間が5000年だということだが、その期間生きつづけれる生体なのだろうか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】くまさん/まど・みちお
やはり詩は読みやすかったり、リズム感があると、不思議なほど受入れやすい。正を言ってこの詩の深い含意が理解できているわけではないものの、楽しく、気分良く読み終えるのだ。すべてひらがな表記も意味があるのだろうが、真意はわからないままである。

【論考】空しさについて/森本哲郎
無ではなく、空とは何なのか。この文章を読んただけでは、まだまで間口に立っただけのように感じる。「空しさ」ととらえると、私自身はもっと分からなくなってしまうだろう。日々、空しいと感じつつも、どうしたらその状態を抜け出せるのが、まったく見えないのである。


ジョージ・オーウェル【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#021】


【1月21日】ジョージ・オーウェル:1903.6.25~1950.1.21

ナショナリストの考え方の中には、真実なのに嘘、知っているのに知らないことになっているという事実が、いろいろある。知っている事実でも、認めるのに耐えられないというので脇へ押しのけられたまま、意識的に論理的思考から外されてしまうことがあるかと思えば、綿密に検討されたにもかかわらず、自分一人の心の中でさえ、事実であることをぜったいに認めないといったことが起こるのだ。(「ナショナリズムについて」)

『オーウェル評論集』小野寺健編訳、岩波文庫、1928年

【アタクシ的メモ】
これが事実であれば、ナショナリストとは対話できないことになる。当たり前だが、互いに話し合うには、共通理解がなければ、ずっとボタンは掛け違えたままだからだ。


「シオニズム」「高松塚古墳壁画、キトラ古墳壁画」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#019】


第3週第5日(金)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
19 音楽:和声(ハーモニー)
和声とは、二つ以上の異なる高さの音を同時に響かせたもの。中世の作曲家たちは、響く感じのする4度(ドとファ、レとソなど)や5度を好んで使った。ルネサンス期になると、三和音が和声の基本となった。何度の音程を組み合わせてっ和音を作るかによって、長調や短調になるかが決まる。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
19 文筆家・芸術家:アイスキュロス
ギリシア悲劇を確立したアイスキュロス(前525頃~前455頃)は、作品が現存する最古の劇作家のひとり。その作品に最古の劇『ペルシア人』や『アガメムノン』などがある。『ペルシア人』では、勝利を収めたギリシア側ではなく、ペルシア人の視点から戦いを語っている。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
19 思想と社会:シオニズム
ハンガリー系ユダヤ人テオドール・ヘルツル(1860~1904)は、近代シオニズム運動を創始することになった。シオニズム運動は、ユダヤ人には祖国が必要で、早急に手に入れるための活動である。1897年、バーゼル綱領を採択し、「パレスチナにユダヤ人の故国を設立する」ことに合意し、世界シオニスト機構(WZO)を設立した。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
19 性徴と生殖:卵巣
卵巣はおよそクルミくらいの大きさで、真珠色をした2つの組織の塊であり、女性の生殖器系において中心的な役割を果たす。卵子を収めるだけでなく、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンを分泌。排卵や月経を調整するだけでなく、骨、心臓、乳腺、皮膚、膣の健康維持を助けている。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
19 芸術:高松塚古墳壁画、キトラ古墳壁画
1972年3月21日、奈良県明日香村の高松塚古墳において、「飛鳥美人」とも呼ばれる男女群像の極彩色の壁画が見つかった。彩色の壁画は日本初だった。また、1983年11月には同じ明日香村のキトラ古墳でも彩色された壁画が見つかる。こちらは、獣の頭と人間の身体を合わせた獣頭人身十二支像が描かれていた。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
19 暮らし・信仰:環濠集落
弥生時代に水稲農耕が始まると戦乱が始まり、それに備えて防備を固めたが、そのひとつが環濠である。環濠とは、集落や周囲をめぐらせた水路のこと。濠は「ほり」と読むが、堀との違いは、人工で掘った「堀」に対して、河川などを利用したものを「濠」と呼ぶのである。


「アジアは一つである」をめぐる論考【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0047】


【短編小説】白い記憶/星新一
何度も曲り角でぶつかり、気を失う二人。ちょっと取ってつけたようなシチュエーションである。ストーリーが面白くないわけではないが、何だか色々な言動にアリティを感じられないせいで、あまり小説の世界に入っていけない。自分の物語に対する好みもあるだろうけど。

【詩・俳句・短歌・歌詞】聴く力/茨木のり子
作者本人のことを書いたのだろうか。明示されていないが、恐らく自分のことを語っているのであろう。言葉というものは、「私」と「あなた」が存在して初めて意味があり、成立するから、作者の言う通り「受けとめる力」は大切である。ちなみに、「うからやから」は、親族という意味だそうだ。

【論考】理想と現実について/森本哲郎
岡倉天心の「アジアは一つである」というも言葉をめぐる論考。筆者が解釈するように、アジアが一つではないから、上の言葉があったのだと思う。卑近な例だが、一体感が乏しいから「One MIZUHO」とか言うのだろうし。ただ、今の世の中は多様性の時代なので、ますます一つになりづらくなっている。


フランクリン・ルーズヴェルト【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#020】


【1月20日】フランクリン・ルーズヴェルト:1882.1.30~1945.4.12

われわれは、独りで安らかに生きることができないこと、われわれ自身の幸福が遠い他の国々の幸福に係っていることを学んだ。われわれは、砂に頭をうずめたダチョウや飼葉桶の中の犬としてではなく、人間として生きねばならぬことを学んだ。われわれは、世界の市民、人類共同体の成員となるべきことを学んだ。(第四回大統領就任演説、1945年1月20日)

『バーレット引用句辞典』所収、編者訳出

【アタクシ的メモ】
1945年の発言のようだが、現在(2023年)にも通ずるような言葉に感じた。ただ逆に言うと、発言後の50年間以上は、この演説とは相いれない政治をしてきたのではないかと思う。


「チャーリー・チャップリン」「頸動脈」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#018】


第3週第4日(木)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
18 科学:太陽系
太陽系には、水星、金星、地球、火星という4つの地球型惑星と木星、土星、天王星、海王星という4つの巨大ガス惑星で構成される。非常に冷たい冥王星は、2006年に天文学者によって、順惑星に分類変更されている。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
18 悪人:コリオラヌス
ガイウス・マルキウス・コリオラヌスは、共和制ローマ期の将軍。実在したどうか定かではないが、ウォルスキ族との戦いで勝利を収めたが、国の人々から支持されず、後に裏切った。それを題材として、シェイクスピアは悲劇『コリオレイナス』を書いた。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
18 映画:チャーリー・チャップリン
チャップリン(1889~1977)はロンドン生まれ、1913年からサイレント映画の俳優としてキャリアを始めた。チョビひげに、山高帽をかぶり、だぶだぶのズボンとぶかぶかの靴を履き、ステッキを振り回しながらがに股で歩く。代表的な作品は、『キッド』(1921年)、『黄金狂時代』(1925年)、『街の灯』(1931年)、『モダン・タイムス』(1936年)、『独裁者』(1940年)など。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
18 こころ:頸動脈
頸動脈は2本の大血管であり、血液を顔面と脳に送りだしている。頸動脈が死亡やコレステロールの堆積(アテローム性動脈硬化あるいはプラークと呼ばれる)によって詰まると、脳の機能や視覚が影響を受けたり、脳卒中を起こすことがある。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
18 科学・技術:鍛冶
日本において、鉄の生産や精錬が始まった時期は諸説あるが、弥生時代後期から末期(3世紀~3世紀後半)が有力。日本独自の技術「たたら製鉄」があるが、江戸時代に完成の域に達すると、大規模な鍛冶工房ができ、明示中盤まで日本の鉄需要の大部分を供給した。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
18 経済:水稲農耕
稲の原産地は揚子江流域と考えられており、そこから日本にもたらされた。水稲農耕は、前年の種籾をまいて苗代を作り、苗が育てば水田に植える。水が不可欠で、水量はしっかりと管理される。連作できる稲は生産性が高いことも、定着した理由だろう。


ソウイウモノニワタシハナリタイ【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0046】


【短編小説】よごれている本/星新一
よごれている本は、魔王のための犠牲を集めている魔法の本。エス氏はふと興味を持ったばかりに犠牲になってしまう。身につまされるほどではないけれど、好奇心がきっかけなので、人間なら誰しもハマってしまう可能性がある。それで、フィクションだと割り切れないのだろう。

【詩・俳句・短歌・歌詞】雨ニモマケズ/官沢賢治
暗唱できるわけでもないが、全部知っているつもりになっていた。改めてすべて読むと、最後の「ソウイウモノニ/ワタシハ/ナリタイ」は、ちょっとオチのように読めた。ここの所、とても気持ちが沈んでいるのだが、自分も目標を持たなきゃなと、何だか少し元気をもらえたような気がする。元気百倍とまではいかないけれど。

【論考】真心について/森本哲郎
「真心」と言われて、最近あまり口にしたり、聞くことが少なくなったなぁと思った。中でも一番印象に残ったのは、本居宣長の「歌は心で感じたことを、善とか悪とかにかかわらず、そのまま読むものだ」という発言。確かに、あらゆる表現が、善悪を越えていると強くなるし、何より真心にも通じると感じた。


勝海舟【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#019】


【1月19日】勝海舟:1823.1.30~1899.1.19

世の中に無神経ほど強いものはない。あの庭前の蜻蛉(とんぽ)をごらん。尻尾を切って放しても、平気で飛んで行くではないか。おれなどもまあ蜻蛉ぐらいのところで、とても人間の仲間入りはできないかもしれない。むやみに神経を使って、やたらに世間のことを苦に病み、朝から晩まで頼みもしないことに奔走して、それが為に頭が禿げ鬚(ひげ)が白くなって、まだ年も取らないのに耄碌(もうろく)してしまうというような憂国家とかいうものには、おれなどはとてもなれない。(『氷川清話』)

『日本の名著32勝海舟』中央公論社、1984年

【アタクシ的メモ】
自分を無神経なトンボくらいだと蔑みながら、当時多くいた憂国の士を批判しているようだ。