ホーキング【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#008】


【1月8日】ホーキング:1942.1.8~2018.3.14

宇宙にはじまりがあるかぎり、宇宙には創造主がいると想定することができる。だがもし、宇宙が本当にまったく自己完結的であり、境界や縁をもたないとすれば、はじまりも終わりもないことになる。宇宙はただ単に存在するのである。だとすると、創造主の出番はどこにあるのだろう。

『ホーキング 宇宙を語る』林一訳、早川書房、1989年

【アタクシ的メモ】
この文章だけでは、「自己完結的」の意味が不明瞭だが、「境界や縁をもたない」は空間の話しであり、はじまりと終わりを時間軸でとらえると、やや詭弁にも聞こえる。創造主(=神)を殺したいだけではないか。


楽観主義に包まれて【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0035】


【短編小説】被害/星新一
終わりが微妙だなと感じてしまった。貧乏神と言えば、ある意味で万能薬的な立て位置に思え、ストーリー構築として、安易すぎるよう思えた。どうしてエル氏につきまとっていたのか、貧乏神とはそもそもどんな性質なのかなど、背景的な情報が乏しいからかもしれない。

【詩・俳句・短歌・歌詞】旅上/萩原朝太郎
言使いがちょっと古く、現代語ではないので、何度か読んだり、ネットでも少し調べたり。ちゃんと意味が分かってくると、何とも前向きな感じが微笑ましく思えてきた。正直、深さのようなものは、あまり感じないものの、若者(きっと)の楽観主義のようなものがにじみ出てきて、気持ちが軽やかにこなった。

【論考】遊びについて/森本哲郎
子どものころから「遊び」とは何か分かっていないなと思ってきたので、ちょっと注目しながら読んだが、一読しただけでは、上手く理解できなかった。「遊び」とは「ゆとり」のことだというのは賛同できるが、心のゆとりとなると、算定不能だし、何だか別の話になってしまったように感じた。


「モーセ五書」「神道(八百万の神)」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#007】


第1週第7日(日)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
7 宗教:トーラー
トーラーとは、ヘブライ語の聖書冒頭にある五つの書、いわゆるモーセ五書を指す名称。モーセ五書は、ユダヤ教信仰を規定する613の律法の根拠であり、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という世界三大一神教の基礎だ。五書は「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
7 伝道者・預言者:アクエンアテン(アメンヘテプ四世)
アクエンアテン(アメンヘテプ四世)は、治世4年目に新しい宗教を創始すると、自分の名を「太陽神アテンに仕える者」を意味する「アクエンアテン」に改め、伝統的な神の崇拝を禁止し、多くの古い神殿の取り壊しを命じた。しかし、アクエンアテンの死後、息子のトゥトアンクアテン(ツタンカーメン)によって、宗教改革の痕跡は消えてしまった。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
7 大衆文化:コニ-アイランド
ニューヨーク市ブルックリン区の南端に位置するコニ-アイランドには複数の遊園地があり、開業した1980年代以降、数十年にわたりアメリカで最も大きく、人気のある観光地とされてきた。映画やテレビが登場する以前、遊園地は第一級の大衆娯楽だった。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
7 医学の歴史:マリ・キュリーとラジウム
マリ・キュリーは、夫であるピエール・キュリーとともに、放射性元素であるポロニウムとラジウムを発見した。ラジウムの発見は、X線、がんの放射線治療、原子に関する理解など、医学に大きな影響を与えた。また、1903年にノーベル物理学賞、1911年にはノーベル化学賞を授与された。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
7 哲学・思想:神道(八百万の神)
神道は、仏教やキリスト教のような開祖を持たない自然宗教。動植物、地形、物質など様々な神が信仰されていることから、アニミズムとされることも多いが、天照大神、須佐之男命などの人格神が中心になっているため、アニミズムだけで説明できるものではない。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
7 文化・芸術:土偶
土偶は妊娠した女性の像だと考えられるが、豊満な女性像は世界中の農耕社会で出土しており、大地母神への崇拝を示す、あるいは豊穣を祈るための祭具だと考えられている。土偶が破損した状況で出土することから、身代わりの呪具として使われていたという説もある。


語り得ぬことには、沈黙せねばならない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0034】


【短編小説】肩の上の秘書/星新一
本音と建前のある日本社会を風刺しているのだと思うが、現在はちょっと変わったなとも思う。また、ロボットインコに要約してもらうのだとすると、何のための丁寧な説明なのだろうと、途中で段々と意味を感じられなくなった。そんなこともあり、最後の件は、ちょっと「?」になってしまった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】峠/真壁仁
一回読んだだけでは、作者の真意(恐らく)は理解できなかった。ただ、昔バイクでいくつもの峠を走った体験と重ね合わせると、峠に入る前と峠を下る際め心持ちの違いは、何となく共感できるようになった。とは言え、ひとつの世界とわかれるまでは、感じていなかったが。

【論考】哲学について/森本哲郎
「哲学について」というテーマで、ヴィトゲンシュタインを持ってくるかーというのが第一印象。カントが理性の限界をさぐり、ヴィトゲンシュタインはことばの限界をきわめようとした、というのはその通りかもしれないが、それを読み手が知識として知っても、あまり意味がなく、自らの頭で考えることこそが、やはり哲学なのだと思っている。


「現象と実在」「伊弉諾尊・伊弉冉尊」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#006】


第1週第6日(土)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
6 哲学:現象と実在
ソクラテス以前の哲学者たちは、実在するものの根本的な本質は、通常目にしている姿、つまり現象とは別にあると考えた。普段の無批判な観察からは、誤った世界像しか得られないと疑う。それゆえ、彼らの思索は現代科学の先駆けでもあった。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
6 反逆者・改革者:モーセ
モーセは、古代イスラエルの民族指導者。旧約聖書によると、彼がエジプトの王の圧政からヘブライ人を逃れさせ、後に「モーセの十戒」として知られる戒律をヘブライ人たちに伝えた。

モーセの十戒 – Wikipedia

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
6 スポーツ:ジェームズ・ネイスミス
野球、バスケットボール、アメリカンフットボールのアメリカ三大スポーツのうち、カナダ生まれの体育教師ジェームズ・ネイスミスが考案したのがバスケットボールだ。フットボールシーズンと野球シーズンに挟まれた冬に実施できる屋内活動として考えられた。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
6 ライフスタイルと予防医学:タンパク質
タンパク質は、骨や筋肉、皮膚をつくり、維持するめに欠かせない栄養素。平均的な成人は、1日に50~65グラムのタンパク質を必要とするが、脂質や全脂乳製品に含まれる飽和脂肪は避けたい。豆、魚、鶏肉がより健康的な選択肢である。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
6 伝統・文化:元号
日本で元号が使われるようになったのは、遣唐使が中国の暦を日本に持ち帰ってからと言われている。日本で最初の元号は「大化」。改元は、縁起の良いことにあやかって政治を良い方向に運んだり、凶事をリセットし悪いことが続くのを防ぐために行われていた。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
6 人物:伊弉諾尊・伊弉冉尊
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)は、日本神話に最初に登場する夫婦であり、兄妹。協力して日本レットの島々をはじめ、木の神、山の神などを生み出した。伊弉冉尊が黄泉の国に行った後には、天照大神(あまてらすおおみかみ)、月読尊(つきよみのみこと)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を生み出した。


岡本太郎【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#007】


【1月7日】岡本太郎:1911.2.26~1996.1.7

いつも読書しながら、一種の絶望感をおぼえる。確かに面白い。対決もある。だが目と頭だけの格闘はやはり空しい。人生はまたたく間もないほど短いのである。ハイデッガー、ヤスパース、サルトルにしても、実存を説きながら、なんであのようにながながと証明しなければならないのか。その間に絶対の時間が失われてしまう。サルトルに言ったことがある。「あなたの説には共感するが、あのびっしりと息もつまるほど組み込まれた活字のボリューム。あれを読んでいる間、いったい人は実存しているだろうか。」彼は奇妙な顔をして私を見かえした。
私はいま生きているこの瞬間、全空間に向かって、八方に精神と肉体を飛び散らしたい。(「思想とアクション」)

『エッセイの贈り物』2、岩波書店、1999年

【アタクシ的メモ】
岡本太郎らしい言葉。目と頭だけの格闘ではなく、精神と肉体を飛び散らす――。こんな発言を聞くだけで、パワーとワクワク感をもらえるから不思議である。


光あふれるから、影が強くなるのか【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0033】


【短編小説】プレゼント/星新一
核爆発を起こす地球に対して、ラール星からの贈り物。その結果、地球の人々は争いをやめる、結論だけ見れば美談のようにも感じるかもしれない。ただ、所変われば品変わるではないが、ラール星から送られたプレゼントの意図は違っていた。結果の整合よりも、意図の不整合に、どうしてもモヤモヤが残るのだった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】作品第肆/草野心平
詩を十分に理解できているとは思えないものの、あふれる光と「物憂く」の対照的な情景が気になる。そう、世界は光に輝いているのに、自分だけはなぜ影に入ってしまっているのか。全く理由は書かれていないので、無闇矢鱈に想像するしかないのだ。

【論考】運命について/森本哲郎
運命とは何なのか。ここでは、カフカの作品を通じて考えさせられた。どうしてそうであるなのか、人間誰しも理由を考えたくなる。しかし、カフカの小説までではないにしても、人生や運命の理由など解明できることの方が珍しいだろう。生きること自体、自らの意志に発関係なく、与えられたのだから。


「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読もう#005


第1週第5日(金)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
5 音楽:音楽の基礎
音楽とは、模倣や楽譜によって再現できる組織化された音のこと。その要素は、耳に聞こえる音の高低「音高(ピッチ)」、音高を高さの順に階段状に並べた「音階(スケール)」、音高を長音階か短音階の一つを基にして並べた「調(キー)」などがある。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
5 文筆家・芸術家:ホメロス
ホメロスは紀元前800年前後の人物で、長編叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』の作者。ただ、実在の人物かどうかはわかっていない。この2つの英雄叙事詩は西洋文学史上初の作品で、ウェルギリウス、ジェイムズ・ジョイス、ラルフ・エリソンなどに、影響を与えた。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
5 思想と社会:共産主義
19世紀初頭に始まった産業革命によって、労働者と工場主や投資家とで深刻な経済格差が生み出された。その解決策として、カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスは、労働者階級が生産手段を自らの手に握る「プロレタリアート独裁」を樹立することを提示した。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
5 性徴と生殖:卵子
女性は、生まれたとき2つの卵巣におよそ200万個の未成熟な卵子を持っている。思春期に達するまでに4分の1以下になり、およそ1カ月に1回、完全な卵子に成熟し、放出される。3日間は生存し続けるので、精子は72時間にわたって受精させられるようだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
5 芸術:土偶と埴輪
土偶は縄文時代に作られ、基本的に妊婦など女性の姿をしている。そのため、作物の豊穣や安産、子孫繫栄を祈る際に用いられたと考えられる。一方、埴輪は集落ではなく古墳から出土し、権力者の権威を示すために埋葬されたようだ。形も人型だけでなく、円筒形、家形、動物型など、多種多様である。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
5 暮らし・信仰:打製石器・磨製石器
人類の歴史は、世界的に見てもほぼ例外なく石器時代を経ている。加工された石器としては、打製石器と磨製石器がある。打製石器は、石に打撃を与えて割り、割れ目を刃として利用した。磨製石器は石を磨いて作られ、ナイフや斧、錐、錘などがある。また、生活道具ではなく、祭祀に使われた石器も多数見つかっている。


良寛【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#006】


【1月6日】良寛:1758~1831.1.6

冬ごもり 春さりくれば 飯乞(いいこ)ふと 草のいほりを 立ち出でで 里に行けば たまほこの 道のちまたに 子どもらが 今を春べと 手まりつく ひふみよいなむ 汝(な)がつけば 吾(あ)はうたひ あがつけば なはうたひ つきてうたひて 霞立つ 長き春日を 暮らしつるかも(「手まり」)

唐木順三『良寛』(『日本詩人選』20、筑摩書店、1971年より)

【メモ】
春の到来と、子どもたちが手まりで遊ぶ様子をリンクさせている。何とも優しい視線が感じられる。良寛は江戸末期、越後の出雲崎町の名家に生まれるも、世の中が政治経済上の争いが絶えず、そうした世情を悲観して、出家したようだ。

【関連リンク】
良寛 – Wikipedia


内なる宇宙を認識することから始める【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0032】


【短編小説】ある研究/星新一
読み手の先入観や勝手な想像を上手に利用したストーリーにしてやられた。研究と言われると、現在か未来を自動的に想定してしまうだろうが、全く別の時間軸の話だった。「新しい毛皮欲しいの」という妻の発言も、現代ではあまり言われなそうだが、書かれた当時はきっとそれらしいものだったはずだ。

【詩・俳句・短歌・歌詞】春暁/孟浩然
「春眠暁を覚えず」は、よく母親が口にしていたこともあり、懐かしさを感じるくらい。ただ、作者である孟浩然の名前は全く知らなかった。ある意味で当たり前なのであるが、古い詩は、描くことが身の周りのことで、情景も自然と頭に浮かんでくるから、シンプルだけど情感が豊かだと思う。

【論考】宇宙について/森本哲郎
カントの「わが上なる星らりばめたる空と、わが内なる道徳律と」という言葉を取り上げていて、ちょっと前に読んだ書籍で、池田晶子さんも似た主張をされていたこともあり、シンクロする感じがあった。確かに、限りない宇宙は、我々の外側に延々と広がり続け、一方で私の内にも宇宙のような無限が存在するように感じている。