「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読もう#004


第1週第4日(木)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
4 科学:クローン技術
1997年、クローン技術によりドリーと名付けられたヒツジが誕生した。最も衝撃的だった点は、個体の特定部位の細胞を使っても、全く新しい個体ができたこと。しかしながら、母親との違いは、テロメアというタンパク質が短かった。その働きは、まだ分かっていないものの、老いと関係があるように思えた。

テロメアは、加齢とともに短縮するため、細胞の寿命に関与しているよう。
知っておきたいテロメアとエイジングの関係

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
4 悪人:アメンパヌファ
アメンパヌファは、古代エジプト、ファラオの墓を荒らした盗賊で、7人ほどの仲間で「王家の谷」の黄金や埋葬品を奪った。最古の裁判記録として、その時の自供の様子も残っているが、生活苦から盗賊を始めて、癖になっていたようだ。王墓の盗掘は重罪で、かなり残酷な処刑の方法で殺されたらしい。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
4 映画:リュミエール兄弟
1895年、初歩的な動画用映写機(シネマトグラフ)を作り、特許を取ったことから、リュミエール兄弟は近代映画の父と考えられている。1895年12月28日には、パリのカピュシーヌ大通りのカフェで、有力の映画上映会を行ったため、映画誕生の日とされている。その中には、『工場の出口』もあった。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
4 こころ:自律神経系
身体の主な臓器や筋肉は、自律神経系が無意識に機能し、調整されている。大きな目的は、身体のホメオスタシス(恒常性)の維持。交感神経系と副交感神経系によって、身体の適切なバランスを保つのだ。交感神経系は危険を感じたり、緊急時に働き、副交感神経系はリラックスしているときに働いている。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
4 科学・技術:古墳
弥生時代になると、墓の共同化や集団化が進むと同時に、巨大な墓が造られるようになった。4世紀後半になると巨大な前方後円墳が築かれるようになり、現在は全国で約4700基が確認されている。古墳は、精密に測量、採寸、設計し、規格通りに土地を開拓、地ならしをして造成された建造物だとのこと。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
4 経済:狩猟・採集
縄文時代は、紀元前1万4000年頃から1000年ころとされ、かなり長い時代区分。気候の変化や「縄文海進」などもあり、生活様式を一言では示しづらいが、狩猟と漁労、植物の実などの採集が生活の柱だったようだ。


ウンベルト・エーコ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#005】


【1月5日】ウンベルト・エーコ:1932.1.5~2016.2.19

書物はしばしば別の書物のことを物語る。一巻の無害な書物がしばしば一個の種子に似て、危険な書物の花を咲かせてみたり、あるいは逆に、苦い根に甘い実をうれさせたりする。

『薔薇の名前』(下)川島英昭訳、東京創元社、1990年

【メモ】
書物のメッセージや何らかの考えが、ほかの書物に影響するというのは、その通りだと思う。それが今は、インターネットやソーシャルメディアを通じて、行われているのではないだろうか。ただし、誰でも参加できるという点で、「書物」といったある意味アカデミックな成果ではなく、やや質が下がったというか、庶民的になっているように思うが。

【関連リンク】
薔薇の名前 – Wikipedia


「サヨナラ」ダケガ人生ダ【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0031】


【短編小説】波状攻撃/星新一
魚心あれば水心ありというのか、課題のあるところにソリューション(解決策)を持って行けば、容易に信じてもらえるものだ。エセコンサルティングがパッケージ化されたようなストーリーである。それにしても、タイトルが現代的ではなく、あまりピンとこなかった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】勧酒/于武陵
五言絶句、中国の詩ということもあってか、原文を読むだけでは、やや平板な感じがした。しかし、井伏鱒二さんの訳を読むんと、グッと立体的な時になってくる。「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」の件は、名訳だと思う。

【論考】自分について/森本哲郎
「汝自身を知れ!」というアポロンの神託から、ソクラテスの「無知の知」や哲学の認識論などに話を展開し、ある意味正しい論調だとは思うものの、ロジックがあまりつながっているように思えなかった。「自分」とは不思議な概念だとは理解しているのだが。


「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読もう#003


第1週第3日(水)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
3 視覚芸術:ラスコー洞窟の壁画
1万5000年から1万7000年前に描かれた最古の芸術作品の一つ。動物の絵が1500点近くあるものの、描かれた理由は諸説ある。先史時代に人々は、正確に書くことで、動物を自分たちの思い通りにしたり、増やしたりできると考えていたようだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
3 革新者:イムホテプ
ヒッポクラテス(前460頃~前375頃)を医学の創始者とするのが通例だが、紀元前2650年ころエジプトにいたイムホテプは、最初の医師だと考えられる。何百もの疾患の記録を残し、治療がよく効いたことから、死後何千年にもわたって神として崇められた。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
3 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ロシアの作曲家、チャイコフスキー(1840~1893)は、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』などの人気バレエ音楽を書いた。死因は、同性愛を暴露されての自殺という説もあったが、現在はコレラとするのが定説である。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
3 薬と代替療法:モルヒネ
鎮痛薬、麻薬であるモルヒネは、痛みや不安を緩和する一方で、精神能力や身体能力も低下させる。極めて依存性が高い薬だ。19世紀末、快楽を得るための市販薬として、薬局でだれでも簡単に購入できた。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
3 文学:『万葉集』
『万葉集』は8世紀後半、奈良時代末期に成立した、現存する日本最古の歌集。当時は仮名文字がなかったため、全文、漢字で書かれている。歌の作者は天皇や皇族、貴族ばかりではなく、下級役人や庶民の歌も収録されている。詠まれた場所も、東海や関東、東北など、都周辺以外の地方も含まれている。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
3 外交:海を渡ってきた日本人
縄文人がどこからやってきたかはわかっていないが、弥生人が新しい文化を携えて日本列島に渡来したのは間違いないだろう。最終的には、縄文人と弥生人は共存し、現代の日本人につながっている。縄文人については、インドネシアやハワイ先住民と交流があったかもしれないそうだ。


カミュ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#004】


【1月4日】
カミュ:1913.11.7~1960.1.4

不条理という言葉のあてはまるのは、この世界が理性で割り切れず、しかも人間の奥底には明晰を求める死に物狂いの願望が激しく鳴りひびいていて、この両者がともに相対峙したままである状態についてなのだ。不条理は人間と世界と、この両者から発するものなのだ。いまのところ、この両者を結ぶ唯一の絆、不条理とはそれである。

『シーシュポスの神話』清水徹訳、新潮文庫、1969年

【メモ】
確かに不条理とは、人間理性での正しさや事実と、世界の現実や在りようとのギャップによるものなので、人間や世界の存在、それぞれだけでは成り立たないと思う。ただ、よく読むと、人間と世界は不条理にしか存在しえないと言いたいのだろうか。


レット・イット・ビーという漠たる宇宙【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0030】


【短編小説】妖精/星新一
何でも願いをかなえてくれる妖精。ただし条件があり、同時にその2倍が、ライバルにもたらされるという。そのため、あらゆる願いが求められない。ジレンマ。最終的には、ライバルの元へ行くよう願うが、自分にはずっと何も起きない。皮内な結果を受け入れるしかないケイ。妖精という特別な存在と、平凡な自分とのギャップが、鮮明に突きつけられただけに終わる。

【詩・俳句・短歌・歌詞】わたしと小鳥とすずと/金子みすゞ
解説にあった通り、「いつも見えないものを見ていたのだ」と思う。みすゞのとてもフラットで、ある意味で現代的な視点が心地ヨイ。書いた本人も、将来そんな世の中になると思っていたわけではないだろう。完全に後付けではあるけれど、予言のようにも聞こえるのが不思議である。

【論考】人間らしさについて/森本哲郎
ビートルズの「レット・イト・ビー」が出てきたのにびっくり。現在は、社会が情報化されており、世の中のシステム化も進んでいて、あるがままにと言われても、そのままの姿や行動を規定することが困難のように思う。文中に「さまざまに解釈でき」とあったが、私としては漠たる宇宙に投げ出されてしまったように感じる。


「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読もう#002


第1週第2日(火)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
2 文学:『ユリシーズ』
ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』(1922年)は、20世紀に英語で書かれた最高の小説だそう。最も有名なのが、意識の流れという叙述技法を使っていること。最終章では、2万4000語を超えるという。

・関連リンク
意識の流れとは – コトバンク

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
2 哲学者・思想家:ミレトスのタレス
タレス(前624頃~前546頃)は、自然現象は人間の論理的な思考で予測できると主張した。科学の始まりとする捉え方もあるようだ。また、哲学(philosophy)の概念も創始したという。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
2 文学:『罪と罰』
ドストエフスキーの『罪と罰』は、ラスコーリニコフの動機や精神状態を詳細に探っているという点で、最高の心理小説の一つ。トルストイやフロイト、ニーチェ、サルトル、カミュなどに影響を与えた。未読ということもあり、読みたくなった。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
2 病気:免疫
人間の免疫システムは多面的なもの。粘膜や白血球、防御細胞などがあり、体温の上昇も防衛手段の一つである。後天的に獲得する適応免疫もあり、特化した防御細胞は、身体の中に長く存在し、同じウイルスに遭遇した場合は、直ちに撃退して病気を防ぐ。新型コロナウイルスもこうなってくれたらヨイのだが。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
2 歴史:日本人の起源
今の日本人の起源をたどると、アフリカで形成された集団が東へと進み、列島に移り住んだようだ。ただ、島根県出雲市の砂原遺跡では、約12万年前の日本最古の旧石器が発見されており、アフリカにルーツを持つ現日本人とは異なる旧人類が存在したようだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
2 争い:争いの始まり
日本で争いが生まれたのは、弥生時代。大陸から弥生人が渡来し、縄文人を侵略した地域もあったようだ。また稲作によってリーダーが生まれ、貧富の差にもつながった。そのため、土地や水の利権争いもあったと考えらえられる。


キケロ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#003】


【1月3日】
キケロ:前106.1.3~前43.12.7
仮に、われわれは不死なるものになれそうにないとしても、やはり人間はそれぞれふさわしい時に消え去るのが望ましい。自然は他のあらゆるものと同様、生きるということについても限度をもっているのだから。因みに、人生における老年は芝居における終幕のようなもの。そこでへとへとになることは避けなければならない、とりわけ十分に味わい尽くした後ではな。

『老年について』中務哲郎訳、岩波書店、2004年

【メモ】
「人間はそれぞれふさわしい時に消え去るのが望ましい」には同意するが、そのふさわしい時を見定めるのが難しいのではないか。「芝居における終幕のようなもの」という例えも、わかるようで、正直わかりづらい。

【関連リンク】
マルクス・トゥッリウス・キケロ – Wikipedia


嫉妬は緑色の目をした怪獣【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0029】


【短編小説】追い越し/星新一
自動車も女性も新ければヨイという価値感には共感しないけれども、後味の悪い結末である。起きたことだけ言うと、別れたことで女性は自殺し、その影響で男性も命を落としてしまう。どうして2人は命を失わなければならなかったのか、その理由の希薄さが、居心地を悪くさせているのだろう。

【詩・俳句・短歌・歌詞】猫/萩原朔太郎
確かに、猫の鳴き声を聞いていると、何だか会話が成立しているようにも感じ、この詩がある意味で正しいようにも思う。ただ、個人的には、「この家の主人は病気です」とだけ言い切られて終わるのが、かなり気持ちが悪い。それが事実だったとしても、なぜ情報として取り上げられたのだろうか。

【論考】嫉妬について/森本 郎
シェイクスピアが言う通り嫉妬は、緑色の目をした怪獣なのかもしれない。だが、私個人としては嫉妬することはほとんどなくなったし、SNSの浸透やコロナ禍によって、正直、人と人のつながりも希薄になり、周囲の人たちに感情を抱きづらい状況になっているように思う。なので、嫉妬が原因で人を殺すかもと言われても、あまり現実感がない。


「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読もう#001


第1週第1日(月)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
1 歴史:アルファベット
古代エジプトのヒエログリフは、奴隷に使えなかったことから、アルファベットが生まれたそうだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
1 指導者:クフ
古代エジプトの信仰では、ファラオは生き神であった。クフのピラミッドは、ギザで最初に建造された最大のもので、20年くらいかかったようだ。切り出した石灰岩は約230万個。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
1 人物:ジークムント・フロイト
精神疾患は心的外傷、つまり精神的なトラウマが原因。人間は誰しも、抑圧された記憶からなる「無意識」を持っていて、この無意識に、強い精神的衝動と性的衝動が蓄えられているという。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
1 子ども:ワクチン接種
ワクチンは、自身の免疫系にはたらきかけて、来る攻撃に対して準備をしておくもの。インフルエンザのウイルスは、たえず突然変異を起こし、毎年、異なるワクチンが必要になる。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
1 自然:富士山
8万年前から1万5千年前くらいまでに火山灰が降り積もり、3000m弱まで成長した山が古富士で、その上を溶岩や火砕流などが覆ったのが新富士である。宝永大噴火から約300年経過しているため、いつ噴火してもおかしくない状況だという。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
1 政治:日本列島の形成
1万3000~2000年前にほぼ現在の形、島国になった。約7000万年前の縄文海進で、海面が2~3m上昇し、陸地に海水が侵入した。その後、現在の海面まで低下したものの、当時は有楽町も海となっていたようだ。