「疎外」とは「メタ認知」ではないか【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0023】


【短編小説】マネー・エイジ/星新一
ワイロが当たり前で、お金のやり取りがコミュニケーションの根幹な世界。ある意味では、とてもシンプルで暮らしやすいとも思ってしまった。とは言え。すべてを貨幣に換算するのは、データ至上主義的で、行間がないにも等しいから、やはりフィクションでしか成り立たないとも思った。人はお金のみにて生きるにあらず、ではないのか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】風景/山村暮鳥
圧倒的な「いちめんのなのはな」の連続。一つひとつを読まずども一目で風景が浮かんでくるだろう。そして、その中に一行だけ違う文言が入ってくることで、ニュアンスを生み出している。それにしても、「病めるは昼の月」の不穏さが目立つ。解説でも触れているが、個人的には著者の真意は理解できなかった。

【論考】疎外について/森本哲郎
自己を認識するために、疎外が大事。また外に出すだけではなく、自分の中に改めて取り込む必要があるというのも同意する。ただ、どうやって外化するのか、どうやって自らに取りもどすのかに言及していないため、札上の空論に聞こえてしまうのではないか。