ポップデュオ「ワム!」を解散したジョージ・マイケルが、ソロシンガーとして1987年に発表したのがこの『フェイス』だ。それまでワム!として、メロウな曲もあったが、基本的にはポップなイメージだったので、ソロになってかなりの様変わりに、えらく面食らってしまった。アタクシが、まだまだ幼かったこともあるだろう。
今まで優しくしてくれていた爽やかな歌のお兄さんが、ある夜セクシー美女とデートを楽しんでいて、偶然それを見かけてしまったような感じだった。曲や音楽性のどうこうよりも、リード・シングルの「アイ・ウォント・ユア・セックス」のように、過激なタイトルなんかにドギマギしてしまったのである。
子どもにとっては“お兄さんの変容”に思え、やや引いてしまったのたが、セールス的にはアメリカだけでも1000万枚以上、全世界では2500万枚以上を売り上げたようだ。シングル曲の「フェイス」「モンキー」など、4曲以上全米ナンバー1を獲得したりと、商業的に大成功したスーパーアルバムである。
ジョージ・マイケルとしては、ワム!では実現できなかった、自分のやりたい音楽を素直につくった結果らしい。歌われる内容とともに、音楽的にこれまでのポップス路線からR&B寄りに大きくサウンドが変わった。
今にして思えば、そうした音楽性の変化も、アタクシがなかなか受け入れづらかった理由にあるだろう。発売当時から少し時間が経って自分も大人に成長するにつれて、彼のソロ作品の素晴らしさ感じられるようになった。そうした意味では、大人か子どもかを見分けるリトマス試験紙的なアルバムなのかもしれない。
Faith/George Michael(1987)
1. Faith
2. Father Figure
3. I Want Your Sex (Parts 1&2)
4. One More Try
5. Hard Day
6. Hand To Mouth
7. Look At Your Hands
8. Monkey
9. Kissing A Fool
10. Hard Day (Shep Pettibone Remix)
11. A Last Request (I Want Your Sex Part 3)
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