アタクシにとっては、ニルヴァーナかパール・ジャムかというくらい好きなバンドであるが、パール・ジャムは、少なくとも日本でそれほど人気がない。非常に残念ではあるが、あまり彼らが好きという話しは聞かないのである。
個人的には、横浜で見たライブなんかも思い出されるし、アルバムでは『Ten』や『Vs.』だけでなく、『バイタロジー 』や『ノー・コード』なども興奮して聴いたが、彼らのファンというとかなりレアになるだろう。
そんな中で、アタクシが紹介したいのはシングルCDである『マーキングボール』。ニール・ヤング御大とアルバム『ミラーボール』を作り上げる中で、同時に録音された曲のようだ。パール・ジャムのオリジナル・アルバムなどに収録されていないため、忘れられた曲とも言えるのだが、アタクシはずっと記憶に残り、心に引っかかっている。
「アイ・ゴット・イド」も「ザ・ロング・ロード」も、音自体に派手さはなく、穏やかで、静かな曲ではあるが、彼らのアイデンティティーを示すような、何とも奥行きを持った曲だ。対訳の歌詞を読んでも、明晰にメッセージがわかるわけではない。それでも、その荘厳なサウンドとともに聴くと、人間の存在論に深く根ざした曲のように感じられる。
アタクシ自身、何かはっきりしない不安を感じているようなときに聴くことが多かった。もしかすると、自己の存在に悩んでしまうような人にとって、この2曲は癒しになったり、ある意味福音のようなものなのかもしれない。
Merkinball/Pearl Jam(1995)
1. I Got Id
2. The Long Road
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