地下鉄の雑踏に響くポジティブでマジカルな歌声:The Subway Recordings/Susan Cagle【CD千本ノック 0062本目】


スーザン・ケイグルの『ザ・サブウェイ・レコーディングズ』は、そのタイトルの通り、ニューヨークの地下鉄で録音されたアルバムだ。

9.11の同時多発テロをきっかけに、シンガー・ソングライターのスーザン・ケイグルは、マンハッタンの地下鉄駅構内で「サブウェイ・ライブ」と称したパフォーマンスを、兄弟姉妹とともに始めた。その姿を見た音楽プロデューサーに見出され、レコード会社との契約に至ったのである。

そうした経緯もあって、彼女のデビューアルバムは地下鉄構内でレコーディングされた。実際に、列車の車輪が軋む音や人々が行き交う雑踏の様子がCDのそこかしこから聞こえてくる。まさにストリート・ライブに立ち会った感じだ。

普通ならレコーディングに向いていない場所であるだろうが、スーザン・ケイグルの声は気持ちよいほどポジティブに響く。多くの人が集まっては来るものの、本来通り過ぎるだけの場所である駅。そこで鳴らされるメロディーと彼女の歌声は何とも柔らかく、社交的なオーラをまとっている。ある意味、とてもマジカルな一枚だ。

そう言えばアタクシ、このアルバム後のスーザン・ケイグルの動向を知らないなと思って、改めて調べてみると、現在はスーザン・ジャスティスという名前で活動しているようだ。

ただ、あまり活発な活動はしていないようで、Apple MusicやAmazonでもほとんど音源が見つけられなかった。『ザ・サブウェイ・レコーディングズ』にとどまらず、もっと別の形で彼女の歌声が聴けたらうれしいのになあと思う。

The Subway Recordings/Susan Cagle(2006)
1. Shakespeare
2. Stay
3. Dream
4. Be Here
5. Ain’t It Good To Know
6. Manhattan Cowboy
7. Happiness Is Overrated
8. You Know
9. Transitional
10. Ask Me
11. Better That Way
12. What Else Can I Do
13. Shakespeare

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