陰鬱な世界に辟易し、美しさに触れたいと願うなら:Mezzanine/Massive Attack【CD千本ノック 0022本目】

マッシヴ・アタックは、イギリス西部の港湾都市であるブリストル出身の音楽ユニット。そのため、彼らの音楽はブリストル・サウンド、トリップ・ホップと呼ばれる。『メザニーン』発表当初は、ダディーG、3D、マッシュルームの3人編成であったが、音楽性の変化にマッシュルームは不満を感じ、アルバムリリース後にバンドを脱退した。

この『メザニーン』は、多くのリスナーからマッシヴ・アタック最高傑作とも言われる。もちろんアタクシもとても好きなアルバムで、本当に何度も何度も聴いた。それまでは、ダンス・ミュージックやブリストル・サウンドに縁遠かったこともあり、どうしてこんなダークで重い音にひかれるのか、最初はやや戸惑ったのが正直なところである。

ただ、自分の好みを脇に置いて、彼らが鳴らす音の暗さ、重さに、素直に向き合ってみると、1曲目から3曲目までの流れなどは圧巻である。特に「ティアドロップ」の美しさは別格ではないだろうか。ボーカルに天使の歌声とも形容されるコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーを起用しており、神がかり的なコラボレーションになっている。

ロック好きのアタクシとしては、U2の偉大なる名盤『ヨシュア・トゥリー』の「ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネイム(約束の地:Where the Streets Have No Name)」「アイ・スティル・ハヴント・ファウンド・ホワット・アイム・ルッキング・フォー (終りなき旅:I Still Haven’t Found What I’m Looking for)」「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー(With or Without You)」という、“史上最強のアルバム冒頭3曲”を彷彿させるほどだ(とは言え、なかなかU2を超えるのは難しい)。

ダークさ、重さと美しさを、高次元で両立した『メザニーン』。だからこそ、今聴いてもその輝きは陰ることはないはずだ。陰鬱な目の前の世界に辟易とし、美しさに包まれたいと思うのなら、一度彼らのアルバムに触れてみてはどうだろうか。

Mezzanine/Massive Attack(1998)
1. Angel
2. Risingson
3. Teardrop
4. Inertia Creeps
5. Exchange
6. Dissolved Girl
7. Man Next Door
8. Black Milk
9. Mezzanine
10. Group Four
11. (Exchange)

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