カルアミルクが甘いことすら知らなかった:家庭教師/岡村靖幸【CD千本ノック 0056本目】


岡村靖幸の『家庭教師』を、繰り返し聴く時期があった。大学に受からず浪人していたが、また受験に失敗するじゃないかと不安に思っていた頃。とても好きになった人がいたが、その思いはかなわず、空回りしていた頃。そんな時に、この音楽は不思議なほどスッと入ってきて、アタクシの心にしみわたった。

正直、一筋縄ではない、変態的なアルバムであるが、悶々としている自分を噛みしめながら、「カルアミルク」や「あの娘ぼくがロングシュートを決めたらどんな顔するだろう」を聴いては、独り溜飲を下げていた。

そんな屈折した一枚ではあるが、ずっと心に残っているし、アタクシにとっては、岡村靖幸を代表するアルバムなっている(ほかのアルバムを、ちゃんと聴いていないので、かなり主観的な判断だ)。

もしこのアルバムを聴いたら、きっとカルアミルクを飲みたくなるだろう。実際アタクシは、やっと大学生になって、すぐにカルアミルクを飲んでみたのである。それは苦々しいものではなく、何とも甘ったるい味わいだった。

家庭教師/岡村靖幸(1990)
1. カルアミルク
2. (E)na
3. 家庭教師
4. あの娘ぼくがロングシュートを決めたらどんな顔するだろう
5. 祈りの季節
6. ビスケット Love
7. ステップ UP↑
8. ペンション

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