「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読もう#002


第1週第2日(火)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
2 文学:『ユリシーズ』
ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』(1922年)は、20世紀に英語で書かれた最高の小説だそう。最も有名なのが、意識の流れという叙述技法を使っていること。最終章では、2万4000語を超えるという。

・関連リンク
意識の流れとは – コトバンク

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
2 哲学者・思想家:ミレトスのタレス
タレス(前624頃~前546頃)は、自然現象は人間の論理的な思考で予測できると主張した。科学の始まりとする捉え方もあるようだ。また、哲学(philosophy)の概念も創始したという。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
2 文学:『罪と罰』
ドストエフスキーの『罪と罰』は、ラスコーリニコフの動機や精神状態を詳細に探っているという点で、最高の心理小説の一つ。トルストイやフロイト、ニーチェ、サルトル、カミュなどに影響を与えた。未読ということもあり、読みたくなった。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
2 病気:免疫
人間の免疫システムは多面的なもの。粘膜や白血球、防御細胞などがあり、体温の上昇も防衛手段の一つである。後天的に獲得する適応免疫もあり、特化した防御細胞は、身体の中に長く存在し、同じウイルスに遭遇した場合は、直ちに撃退して病気を防ぐ。新型コロナウイルスもこうなってくれたらヨイのだが。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
2 歴史:日本人の起源
今の日本人の起源をたどると、アフリカで形成された集団が東へと進み、列島に移り住んだようだ。ただ、島根県出雲市の砂原遺跡では、約12万年前の日本最古の旧石器が発見されており、アフリカにルーツを持つ現日本人とは異なる旧人類が存在したようだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
2 争い:争いの始まり
日本で争いが生まれたのは、弥生時代。大陸から弥生人が渡来し、縄文人を侵略した地域もあったようだ。また稲作によってリーダーが生まれ、貧富の差にもつながった。そのため、土地や水の利権争いもあったと考えらえられる。


キケロ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#003】


【1月3日】
キケロ:前106.1.3~前43.12.7
仮に、われわれは不死なるものになれそうにないとしても、やはり人間はそれぞれふさわしい時に消え去るのが望ましい。自然は他のあらゆるものと同様、生きるということについても限度をもっているのだから。因みに、人生における老年は芝居における終幕のようなもの。そこでへとへとになることは避けなければならない、とりわけ十分に味わい尽くした後ではな。

『老年について』中務哲郎訳、岩波書店、2004年

【メモ】
「人間はそれぞれふさわしい時に消え去るのが望ましい」には同意するが、そのふさわしい時を見定めるのが難しいのではないか。「芝居における終幕のようなもの」という例えも、わかるようで、正直わかりづらい。

【関連リンク】
マルクス・トゥッリウス・キケロ – Wikipedia


嫉妬は緑色の目をした怪獣【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0029】


【短編小説】追い越し/星新一
自動車も女性も新ければヨイという価値感には共感しないけれども、後味の悪い結末である。起きたことだけ言うと、別れたことで女性は自殺し、その影響で男性も命を落としてしまう。どうして2人は命を失わなければならなかったのか、その理由の希薄さが、居心地を悪くさせているのだろう。

【詩・俳句・短歌・歌詞】猫/萩原朔太郎
確かに、猫の鳴き声を聞いていると、何だか会話が成立しているようにも感じ、この詩がある意味で正しいようにも思う。ただ、個人的には、「この家の主人は病気です」とだけ言い切られて終わるのが、かなり気持ちが悪い。それが事実だったとしても、なぜ情報として取り上げられたのだろうか。

【論考】嫉妬について/森本 郎
シェイクスピアが言う通り嫉妬は、緑色の目をした怪獣なのかもしれない。だが、私個人としては嫉妬することはほとんどなくなったし、SNSの浸透やコロナ禍によって、正直、人と人のつながりも希薄になり、周囲の人たちに感情を抱きづらい状況になっているように思う。なので、嫉妬が原因で人を殺すかもと言われても、あまり現実感がない。


「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読もう#001


第1週第1日(月)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
1 歴史:アルファベット
古代エジプトのヒエログリフは、奴隷に使えなかったことから、アルファベットが生まれたそうだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
1 指導者:クフ
古代エジプトの信仰では、ファラオは生き神であった。クフのピラミッドは、ギザで最初に建造された最大のもので、20年くらいかかったようだ。切り出した石灰岩は約230万個。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
1 人物:ジークムント・フロイト
精神疾患は心的外傷、つまり精神的なトラウマが原因。人間は誰しも、抑圧された記憶からなる「無意識」を持っていて、この無意識に、強い精神的衝動と性的衝動が蓄えられているという。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
1 子ども:ワクチン接種
ワクチンは、自身の免疫系にはたらきかけて、来る攻撃に対して準備をしておくもの。インフルエンザのウイルスは、たえず突然変異を起こし、毎年、異なるワクチンが必要になる。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
1 自然:富士山
8万年前から1万5千年前くらいまでに火山灰が降り積もり、3000m弱まで成長した山が古富士で、その上を溶岩や火砕流などが覆ったのが新富士である。宝永大噴火から約300年経過しているため、いつ噴火してもおかしくない状況だという。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
1 政治:日本列島の形成
1万3000~2000年前にほぼ現在の形、島国になった。約7000万年前の縄文海進で、海面が2~3m上昇し、陸地に海水が侵入した。その後、現在の海面まで低下したものの、当時は有楽町も海となっていたようだ。


プラトン【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#002】


【1月2日】
プラトン:前427~前347
正しく哲学している人々は死ぬことの練習をしているのだ。そして、死んでいることは、かれらにとっては、誰にもまして、少しも恐ろしくないのである。こういう風に考えてみたまえ。もしも、かれらが至るところで肉体と仲たがいしてきて、魂それ自身だけを持とうと熱望してきたのに、そのことが起こると、恐怖を覚えて憤激するというのでは、これ以上の不合理はないだろう。

『パイドン 魂の不死について』岩田靖夫訳、岩波書店、1998年

【メモ】
人間の死は肉体の死であり、魂は不滅ということか。また哲学するのは、魂だけを持とうとするということか。

【関連リンク】
プラトンとは – コトバンク
パイドン – Wikipedia


柿本人麻呂【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#001】


【1月1日】
柿本人麻呂:生没年不詳
東(ひむかし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ
淡海(あふみ)の海夕波千鳥汝(な)が鳴けば情(こころ)もしのに古(いにしへ)思ほゆ
ぬばたまの夜さり来れば巻向の川音(かわと)高しも嵐かも疾(と)き

『万葉集』(一)(二)(『日本古典文学大系』4・5、高木市之助ほか校注、岩波書店、1957-59年)

【メモ】
柿本人麻呂は、山部赤人とともに「歌聖」と呼ばれたそう。ここに挙げられた3つの歌は、どれも物悲しい感じがする。

【関連リンク】
『東の 野に炎の 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ』現代語訳と解説 |マナペディア|
『淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば 情もしのに古思ほゆ』わかりやすい現代語訳と解説 |マナペディア|
ぬばたまの夜さり来れば巻向の川音高しも嵐かも疾き


光がこぼれる不思議【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0028】


【短編小説】気前のいい家/星新一
細かく考えると、指定したカバンじゃないと防犯できないなど、欠点もあると思うが、よくできた話である。エヌ氏はますます繁栄していくだろと感じるものの、読者としては、何となくスッキリしない気分もある。どちらかー方がすべてを得るということに、納得できないのかもしれない。

【詩・俳句・短歌・歌詞】薔薇二曲/北原白秋
解説などを読むと、「ナニゴトノ不思議ナケレド」が、実は不思議だというところに、この詩の本質や意義があるという。もちろん、存在と生成に世界の不思議はあるのだけれど、私個人としては、最後の「光りコボルル」が一番印象に残った。光りがこぼれる不思議と言えばヨイのだろうか。

【論考】ふるさとについて/森本哲郎
私自身について言うと、親が転勤族だったため、ふるさとと言えるような場所はない。ましてや、田園と都市を対立的に語るのもやや抵抗感がある。帰るような場所があるのは、むしろ羨望に値するというのが正直なとこころだ。自身が根なし草に感じることも少なくない。


二元論の終焉?【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0027】


【短編小説】闇の眼/星新一
暗間の中でも、光がなくても、知覚できる新しい人間が生まれた。これまでとは、まったくの別人種とも言えるだろうが、そうなったことで、両親はとまどいばかりを覚える。進化の最先端にあるとも言えるが、喜びはなく、普通ではない坊やをもてあまし気味。もし自分も同じ状況だったら、どうなるのだろう。

【詩・俳句・短歌・歌詞】春の朝/ロバート、ブラウニング
「すべて世は事もなし」。日々、平穏であるということ。他の読書でも同じ表現が出てきて、シンクロしていた。詩自体は、とても短く、淡々としている。ある意味で、現実を描写しているというよりも、世界はそもそも平穏である宣言のように感じた。私個人としては、願望でもある。

【論考】迷いについて/森本哲郎
人間のたましいは、情熱(パトス)と理性(ロゴス)であるというのは、感情としては受け入れられる。ただ、二元論的な2つのたましいの対立は、少し頭の中にクエスチョンが浮かぶ。現在は、あられることで対立構造が希薄だからかもしれない。思考のくせが変わったのだろうか?


人によって「ゆきとどく」も異なるなずで【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0025】


【短編小説】ゆきとどいた生活/星新一
あらゆることが自動化されており、亡くなったテール氏も、会社の前まで連れていかれることに。ゆきとどいたというよりも、過剰な手当だと思う。とても皮肉な感じがするし、哀しくもある。やはり人間の目や判断がない生活は、なかなか受け入れづらいだろう。それにしても、現在の様々な自動化と近い雰囲気があるのは、星新一さんの先見の明に少し驚いた。

【詩・俳句・短歌・歌詞】山のあなた/カールブッセ
きちんと解釈、理解できているわけではないが、お馴染みの詩である。久々に読んだが、不思議と胸に迫ってくる。改めて言葉が持つ力は強く、少ない言葉のなかでも、人それぞれに行間を感じられるのではと感じた。

【論考】ふたたび人間の心について/森本哲郎
人間の心は、サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(陰質)という3つの成分からできていて、どれも心を束縛してしまうから、同じ距離を保つべきだそう。大きな異論があるわけではないものの、すんなりと腹落ちするわけでもない。心に関する2つの論考を読んで、あまりきちんと考えてこず、無知であることを再認識した。


心とは何で、どうやって存在しているのか?【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0025】


【短編小説】人類愛/星新一
罪を憎んで人を憎まずなのか、私憤を晴らすチャンスと見て、その機会を生かすのか、ある意味で人間性が問われる。私自身は、憤りにかられても、社会的な正しさが気になって、助けてしまうだろうと思った。それは良い人間性などではなく、規範に逆らえない、個を発動できない性質からくるだろう。

【詩・俳句・短歌・歌詞】あどけない話/高村光太郎
「智恵子は東京に空が無いといふ」は、不思議なほど強烈に頭に刻まれているフレーズだ。当初は、都会と地方の対立と理解していたが、実際に安達太良山の空を見たこともあり、環境や風景に自己のアイデンティティーを感じられるかどうかの違いなのかもしれないと思う。単に故郷の空は澄んでいて美しいとかではなく。

【論考】人間の心をついて/森本哲郎
あまり心について考えていないことに思い当った。西洋哲学において、ほとんど議論されていないからかもしれない。とは言え、自分自身では心の存在を実感しているし、思考とはやや別の動きをしていると思う。この論考の中でも、心の定義はさておき、筆者の体験談が中心で構成されいる。心の謎が浮かんできた。