剛腕ディーバはマライアを超えられるのか?:My Everytrhing/Ariana Grande【CD千本ノック 0004本目】


アリアナ・グランデのセカンドアルバム「マイ・エヴリシング」に出会ったのは、ほんの偶然のことだった。当時、Shazamというスマホアプリ(ラジオなどから流れる音楽を聞かせると、その曲名やアーティスト名を表示してくれる)をよく使っていて、いつも画面にあった何かのランキング上位に表示されていたのがこのアルバムだったのだ。

もちろん最初は、特に何も思わなかったのだが、何度も何度も見ているうちに、「へえー、そんなに人気があるんだ」「今はどんな曲が流行っているのだろう」「この椅子に座っている小柄な女性の音楽はどんなだろう」という感じで、段々と興味がわいてきてしまったのだ。刷り込みは恐ろしい。

しかも「マイ・エヴリシング」と一緒に、彼女のデビューアルバム「ユアーズ・トゥルーリー」も買ったのだが、このファーストアルバムのジャケットは何となく見覚えがあったため、音をちゃんと聴けていなくても「きっとヨイ音楽なんだろう」と安心して購入していた。刷り込みは本当に恐ろしい。

そんな、ややいい加減な出会いではあったのだが、このアルバム自体は全体が爽快感にあふれた素晴らしい出来だ。その歌唱力は、「ネクスト・マライア」とも評されているらしく、群を抜くパワーを持っている。個人的には、マライア・キャリーのように歌い上げる感じではないので、ドライブ感があって本当に心地よいし、若々しさも感じさせる。

アルバムには、様々な人とのコラボレーションや数々の音楽的要素がこれでもかと詰め込まれている。それらを消化不良にしないで17曲(国内版は、葉加瀬太郎とコラボしたボーナストラックがあり18曲)を一気に聴かせてしまう剛腕ぶりを、ぜひ多くの人に堪能してほしい。自分の趣味的には、ダークで重い音の方が好みではあるのだが、そんな好き嫌いを吹っ飛ばしてしまうほどの圧倒的な歌声を鳴らしている。このアルバムを聴いたら、誰もがきっと彼女の声にひれ伏してしまうだろう。

My Everytrhing/Ariana Grande(2014)
1. Intro
2. Problem
3. One Last Time
4. Why Try
5. Break Free
6. Best Mistake
7. Be My Baby
8. Break Your Heart Right Back
9. Love Me Harder
10. Just A Little Bit Of Your Heart
11. Hands On Me
12. My Everything
13. Bang Bang
14. Only 1
15. You Don’t Know Me
16. Cadillac Song
17. Too Close
18. Baby I

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数少ない30年来の幼馴染アルバム:Hunting High And Low/a-ha【CD千本ノック 0003本目】


a-haと言ったら80年代に「テイク・オン・ミー(Take On Me)」がヒットした一発屋というイメージを持つ方がほとんどかもしれない(若い人にとっては、曲はおろか名前も知らないかもしれないけれど…)。

この曲の他にも、007の映画の主題歌になった「リビング・デイライツ(The Living Daylights)」など、何度か注目されるような時期もあったが、それほど派手な活躍をしてきたバンドとは言えないだろう。

それでも、地道にアルバムを発表したり、ライブ活動を続けてきており、2010年にいったん解散をするものの、その後、再結成、オリジナル・アルバムをリリースするなど、30年以上、音楽シーンの前線に存在し続けていることになる。

こうした長生きの秘訣は、もしかするとノルウェー出身ということにあるのではないだろうか。アメリカやイギリスのように、巨大で、世界中から注目されるシーンと、やや距離を保った場所にいたため、トレンドを必要以上に意識したり、追われたりすることなく、自分たちがよいと思える音楽を追求でき、長く音楽活動を続けてこられたのかもしれない。

さて肝心の「Hunting High and Low」というアルバムについて語ると、私自身中学生ころに手に入れてからずっと、手放すことなく手元に置いてきた。たまにではあるが思い出すとCDを再生してきた“幼馴染”のような存在だ。

長らく聴きついでこれたのは、1曲目の「テイク・オン・ミー」が懐かしかったからだろうと思われがちだが、むしろ私にとって最も愛着があった曲は、アルバム・タイトルでもある「ハンティング・ハイ・アンド・ロー(Hunting High and Low)」であった。

a-haを知るきっかけにもなった「テイク・オン・ミー」は、もちろん未だに名曲だと思っているものの、3曲目の「ハンティング・ハイ・アンド・ロー」が紡ぎ出す情緒感、落ち着き、伸びやかさは、私にとって掛け替えのないものだ。

過去を単純に遡るだけでも、30年の年月は生半可な年月ではないと感じるのは当然だろう。それでも、一曲への思いが変わらず、ずっと評価が不変であるのは、ロックを聴き続けた自分においてもかなり稀有なことなのである。

Hunting High And Low/a-ha(1985)
1.Take On Me
2.Train Of Thought
3.Hunting High And Low
4.The Blue Sky
5.Living A Boy’s Adventure Tale
6.The Sun Always Shines On T.V.
7.And You Tell Me
8.Love Is Reason
9.I Dream Myself Alive
10.Here I Stand And Face The Rain

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圧倒的な声を持つ早熟のポップ・シンガー:19/Adele【CD千本ノック 0002本目】


グラミー賞受賞アーティストで、年齢が若いながらも、もはや大御所感すら感じさせるアデル。私が一番特徴的だと思っているのは、その説得力のある声だ。声そのもの魅力か、歌唱法、テクニックによるものか、(私自身には)判然とはしないものも、彼女のアルバムを聴けば、有無を言わさず誰もが納得してしまうだろう。

彼女のデビューアルバムである「19」は、発表当時のアデルの年齢である。その後のアルバムも、「21」「25」と、自身の年齢をアルバムタイトルにする決まりは踏襲されている。

やや細かな話しではあるが、iTunesの登録情報を見ると、アルバムのジャンルは「19」が「Pop」で、それ以外はすべて「R&B」だった(たまたまかもしれないが)。私にとってアデルは、R&Bシンガーというよりポップ・シンガーだと思っていたので、正直意外だった。

これは、彼女の歌が軽いと言いたいのではない。むしろ、曲そのものはそれほど派手ではないものの、あの声によって多くの人たちの人気を、がっちりと獲得しているということだ。それでなければ、全米でCDを260万枚も売り上げないだろうし、私の周りでもそれほど音楽好きではないのに、この「19」からアデルをフォローしている人が少なくない。

また、「19」を改めて聴いて驚いたのは、このファーストアルバムでアーティストとしてほぼ完成形に近かったこと。「21」や「25」で、彼女が進化していないと言うつもりはないが、19歳にして歌い手としての軸をしっかりと備えていた恐るべき早熟の人のようだ。

そうした意味では、アデルを聴くなら「19」から入って、「21」「25」と、彼女の年齢順、アルバムの発表順に聴くのをおススメしたい。彼女の声を堪能しつつ、年齢による深化をしっかりと感じ取ることができるだろう。

19/Adele(2008)
1.Daydreamer
2.Best For Last
3.Chasing Pavements
4.Cold Shoulder
5.Crazy For You
6.Melt My Heart To Stone
7.First Love
8.Right As Rain
9.Make You Feel My Love
10.My Same
11.Tired
12.Hometown Glory
13.Painting Pictures
14.Now And Then
15.That’s It, I Quit, I’m Moving On

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「少年A」とは私たちのことだ:Kid A/Radiohead(2000)【CD千本ノック 0001本目】


レディオヘッド(Radiohead)にとって、4枚目のオリジナルアルバム。個人的な好みではあるが、レディオヘッドで一番好きなアルバムは5枚目の「Hail to the Thief」だ。この作品が2003年に発表されたとき、彼らは「Kid A」から着実に進化し、「より優れたアルバムを世に送り出した」と感じた。

しかし、あれから10年以上経ってみると、レディオヘッドやロック全体にとっても、引き返せないような大きな転換点になったのは、「Kid A」だと思っている。このアルバムによって、すべてが変わってしまった。ロック史上、最も衝撃的で、最も大変革をもたらしたアルバムではないだろうか。

CDが発売されて初めて聴いて感じたのは、「ギターロックバンドがギターを弾くのを放棄し、全く予想だにしなかったような音楽を提示された。ただ、その電子音こそが自分たちが、たった今感じている不安や虚無を言い当てている」ということ。自分たちでは思いつかなかったものの、当時、日々生きている中で真に求めていた欲求を、レディオヘッドが音像にまとめ上げ、見事に突きつけたのだろう。

発売当時に書かれたライナーノーツによれば、「キッドA」という言葉は、「もはやどこでも生まれているはずの“世界最初のクローン人間”を示唆した」ものだそうだ。2018年時点、医学的な意味で、まだクローン人間は生まれていない。それでも、改めてアルバムを聴いていると、「君たちこそがキッドAではないのか?」と、問われているように思えてならないのである。

Kid A/Radiohead(2000)
1.Everything In Its Right Place
2.Kid A
3.The National Anthem
4.How To Disappear Completely
5.Treefingers
6.Optimistic
7.In Limbo
8.Idioteque
9.Morning Bell
10.Motion Picture Soundtrack

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子どもとペースを合わせれば幸せがやってくる


週末、寝室のエアコンから水が漏れることが分かり、その修理のため本日は仕事を休んだ。ベッドをどかし、ほこりの溜まった床に掃除機をかけ、これまでほったらかしだったエアコンも掃除にいそしむ。昼過ぎに、メーカーの方が来てくれて、パッパッと見て、不具合も解消した。

一日、寝室の掃除ばかりではあったが、せっかく休みを取ったので子どもたちをお迎えに行く。ピロさんのわくわくは初めてで、少々緊張。その後二人で、チャーちゃんのいる保育園へ。何だかピロさんがフラフラしたり、あれこれ話してばかりで、なかなか進まず、ちょっとイライラしてしまう。それは、チャーちゃんが加わってからも同じだ。二人そろうと、歌を歌ったり、朝持ってきた傘を振りましたりで、やはり進みが悪い。いつ自宅にもどれるのだろうと、ウンザリしてしまった。

ただ一方で、そんな中気付いたのは、自分が子ども二人に勝手な期待をしていたことだ。「サッと歩いてほしい」「わき目も振らず進んでほしい」と、自分の都合だけで彼らの態度や行動を求めていた。二人のやりたいことをやりたいようにとゆだねてしまえば、楽しそうにしている彼らを見られ、イライラよりもむしろ幸せを感じられる。自らの心の持ちようで随分と物事の価値や評価は変わってしまうのだ。


一人でやり直し


本日は、この2週間ほど注力していた提案の発表の日。それなりに最善をつくして、今日も12時ころにメンバー全員で集まって、最終調整を行った。少々ノリで進めていたところもあるが、最後のまとめを決めて、提案先の店舗で記念撮影を行い資料の最終ページに追加した。

たった2週間とも言えるが、期間中5回も打ち合わせをして進めたので、メンバーそれぞれの考え方や取り組み方は理解できたように思う。もちろん問題点や課題と言えることもあっただろうし、私がやりたいことばかりでもなかったが、お互いに了承しながら作業していたので、大きな後悔はない。十分に貢献できたわけでもないだろうが、やり直そうなどとは思っていない。

夜は現役の方々の打ち上げに混ぜってもらって、自分たちの打ち上げもしてしまう。発表後の講評を受けて、メンバーからは「悔しい」「もう一度やりたい」という発言も多かったが、私自身はある意味必然的な結果であったと考えているし、想定内の評価だった。だからこそ、悔しがるよりも、近々でもう一度自分一人で同じ課題で提案書を作成しようと考えている。


最終課題前日


本日は、寝ても覚めても明日発表する資料のことばかり考えていた。とは言え、日中は仕事も忙しく昼ごはんを食べるのもやっとだったし、たまたま同僚に仕事の相談をされ、思った以上に話しが長引き、最終課題の資料はほとんどつくれなかった。

諸々何とか会社を切り上げて、チームメンバーが集まっている渋谷へ。最後のミーティングにバタバタで向かったため、夕食は打ち合わせをしながらコンビニで買ったサンドイッチであった。寝不足続きで、ちょっと頭を朦朧とさせながらも、明日どんな発表にするかメンバーと一緒に考えた。いくらか遠慮しているのか、そもそもアイデアが出づらいのか、よく分からないまま進んだ感じもあったが、終電前には話し合いを終える。

明日は、昼頃に集まって発表直前の打ち合わせ。時間が残りわずかになったこともあり、自宅に帰ってからファイルを整えたり、文字校正を行ったりした。改めて読み返してみると、一応全員で合意しながら進めているものの、何だかしっくりこない部分もあった。まあ仕方ないのであろう。


自己がないから関係性の話しばかりになるのだろう


今日の夜は、少人数ながらも内輪の会食だった。初め声をかけてもらったときは、ありがたい話しだなと思っていたが、実際に参加してみると、ちょっと疲れることになってしまった。食事やお酒はおいしかったものの、最終的には「夜遅くまで何してたんだろう」というのが率直な感想だ。

まず最初は、当初約束していたことを反故にされたこと。小さな約束だったし、まあ当人にとってどうでもよいことなのかもしれないが、あからさまに適当な対応されると、もう信用できなくなる。自分は小さな約束こそ守るべきだと思ってきたし、大きくても小さくても、約束したり、自分が言ったことは、どうにか実行するようにしてきた。

もう一つは、会食で話された内容である。これも悪気はないのかもしれないが、そこにいない人を含め評価の話しや、誰がロイヤリティが低いかといった、対会社、対人の関係性にばかりに話しが及んでいた。もっと自分自身がやりたいことや自分たちがやるべきことなど、他人のことではなく、自らの思いを話したらよいのにと感じた。恐らく自己が明確ではないので、関係性の話しばかりになるのだろう。


最終課題をもう一度


今日も、仕事の後にラボOBの人たちと集まって、最終課題の資料作成を打ち合わせ。4人でチームを組んだが、ミーティングによって来れない人もいるため、なかなか情報共有、理解の平準化が難しい。前回休んだ人が参加すると、どうしても話しを巻き戻したり、違う観点が入って、方向性が変わってしまいがちだからだ。ただ個人的には、自分の最終課題のときの進め方が十分ではなかったと思っていたので、半年前に戻って改めてやり直しているつもりである。

とは言え、毎回「次回までに…」という終わり方で、発表までに数日しかなく、本当に資料が出来上がるのか心配になってきている。伝える人は誰で、どのようなことを、どのように伝えるか、なかなか合意できていないのが問題なのだろう。もちろん、皆が手を抜いているわけでもない。むしろ、互いに様子を見たり、遠慮したりしているせいかもしれないと感じる。残された時間は少ないが、何とかやりきって最後には気持ちよく乾杯で締めくくりたいと思う。


新卒の方の配属に際して


今日は、新卒の配属が発表された。これは新しい会社に来て2度目のこと。ずっと新卒が入社する環境になかったので、まだまだ不思議な気分になるのが正直なところだ。しかも、予想外に自分の部署に配属があった。受け入れ側である私たちだけではなく、本人にとってもびっくりの人事だったようだ。

あまり正確に比較できるわけではないが、今年の新卒の方々は昨年と比べて真面目な印象が強く、思いつめたりしないだろうかと心配してしまう。私のこれまでの経験で言えば、年齢にかかわらず自己の軸や芯がある人の方が概してビジネスマンとして成功しているように思うので、真面目さは悪いことではないと思っているのだが。

これまでの反省も踏まえ、私としては新しい方々をできるだけサポートしていきたいと思っている。1年間で、すっかり擦り切れてしまったり、変な自信や傲慢さを持ってしまっても仕方がないからだ。自分の子どもにように思えるわけではないが、若い人の手助けになりたいと感じることが多くなった。