『生命力』は、チャットモンチーのメジャーデビュー後、『chatmonchy has come』、『耳鳴り』に続く、3枚目のアルバム。デビュー当時から完成度が高かったこともあり、この『生命力』で、音楽的に何かが大きく変わっているようには感じない。1枚目からここまで、あっと言う間に駆け抜けてしまったのではないだろうか。
アタクシ的には、チャットモンチーの最も大きな要素、ストロングポイントとして、橋本絵莉子のボーカルがあると思っている。あのハイトーンボイスは、単に高い声で上手に歌えるだけでなく、強く聴き手の感情に訴えかけるのだ。ちゃんと情感のこもった声は、洋の東西を問わず、実はなかなか聴けるものではないと思っている。
曲の歌詞についても、「親知らずが生えてきたよ」と歌う「親知らず」や、「わたしが神様だったら/こんな世界は作らなかった」とシャウトする「世界が終わる夜に」など、身の回りの話題だけにとどまらず、抽象的なテーマにおいても、気取らず、率直な言葉で紡がれていて、とても好感が持てる。
チャットモンチーらしさだと言えばそれまでだが、こうした等身大の彼女たちが、本格的なロック・サウンドを鳴らしているのが、これまた珍しいと思うし、本当に格好ヨイと感じている。
生命力/チャットモンチー(2007)
1. 親知らず
2. Make Up! Make Up!
3. シャングリラ
4. 世界が終わる夜に
5. 手のなるほうへ
6. とび魚のバタフライ
7. 橙
8. 素直
9. 真夜中遊園地
10. 女子たちに明日はない
11. バスロマンス
12. モバイルワールド
13. ミカヅキ
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